研究概要 |
ビデオ学習支援システムViNoSyLを開発した。平成18年度は、グループ分けの尺度として有用な以下の機能を実装し、実験を行った。 時間的・地理的に分散した学習者が議論をするために,電子掲示板が用いられる事例は数多い。ViNoSyLでも議論のために電子掲示板システムを利用する。このとき,学習の深化のためのグループ学習では,グループ構成員は注意深く選定される必要がある。例えば,学習グループに結論を初めから知っている,すなわち既に深くその分野に精通している(多くの場合,過去の過去の)学習者を含めることは,議論により知識を深化させる場面では効果的でない、それにもかかわらず,一般に電子掲示板での議論は,参加者を指定することができない。 そこでViNoSyLでは,ある疑問を学習者が持ったときに,その学習者が期待するグループの属性を指定することで,その属性に合致した学習者のみに議論を呼びかける機構を実現する。これにより,不特定多数を対象として議論する単純な電子掲示板とは異なる,より学習効率に根ざした議論を実現する構成員を選択することができるようになる。 属性として「習熟度」を挙げた。習熟度の近い学習者同士は議論がしやすく,知識を深化させる上で障害が少ないことが期待される。そこで学習者の電子ノートと学習状況の履歴から,その学習者がビデオ(あるいはビデオのある特定部分)についてどの程度習熟しているかを推測し,その推測にしたがって該当する学習者を選出し,議論のグループを形成する機能を提案した。
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