研究課題/領域番号 |
17011048
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
麻生 武 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70184132)
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研究分担者 |
本山 方子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30335468)
天ヶ瀬 正博 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00254376)
上江洌 達也 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (10160160)
大石 正 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (30112098)
水間 玲子 奈良女子大学, 文学部, 助手 (80343268)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 科学観 / 自然観 / 理数科系教育 / 科学への学習意欲 / 科学への好奇心 / 自己の将来像 / 未来イメージ / 科学イメージ |
研究概要 |
以下の4つの研究を行った。 (1)奈良女子大学及び附属校園の教員全員に「科学と自然観」に関するアンケートを配し、102名の有効回答を得、これを分析した。結果、理数系教員の方が文系教員より自然への親和性や保全意識が高く、無力感が少ないこと、世代が若くなるにつれて自然に対する意識がより文系的傾向になることが判明した。 (2)附属中等教育学校で1年生から5年生まで、男279人、女288人、計567人に「科学と自然そして将来像」に関してアンケート調査を行った。前述の調査をいくつかの点で改良し補強した調査についての報告である。調査の結果、「科学への肯定的な態度」は、「自然への親和意識」と「自然への保全意識」、「幸福な私的自己将来」と「幸福な公的自己将来」、そして、「肯定的な未来社会観」と正の相関を示していた。「自然に対する感性」がポジティヴな「科学イメージ」にもネガティヴな「科学イメージ」にもそれぞれ独自の相関をしていたことは興味深いことである。「科学への関心」については「理系的関心」と「文系的関心」に分けられているが、それらは科学への肯定と否定の態度のように対立しているのではない。事実、「理系的関心」と「文系的関心」の間には弱い正の相関がある。ただし、当然ながら生徒たちの進路決定において相互に排他的である。文系的関心との差異として、「理系的関心」に特徴的なのは、「自然への無力意識」と「自然への保全意識」とは正負いずれの相関もないこと、そして、「肯定的な未来観」とは正の相関をしていることである。 (3)四国の2つの中学校において1年生195名と3年生191名、計386名に「科学と将来に関するイメージ」について調査を行った。3年の方が1年より科学肯定が増えること男子の方が科学肯定であること、科学肯定が、科学への志向性や、理科への勉学意欲や、未来社会への明るいイメージに関連していることが判明した。 (4)「理科好き」を育てる教育実践に関して附属小学校の理科を専門とする教員の授業観察を継続して行った。生活で見いだした自然現象や科学的事象を、教室に話題や交流の素材として持ち込むことをきっかけに、さらなる収集が始まり、陳列、比較、分類、計測、記録と科学的探索が継続的に引き起こされていく様子が観察された。小学1年生における理科的興味・関心の萌芽と育ていくために、まず教科『理科』導入前段階の生活、学級づくりを基盤にて、そこから理科分野の学習へと進んでいく様子がとらえられた。
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