研究分担者 |
吉川 成夫 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (90353391)
太田 伸也 弘前大学, 教育学部, 教授 (50322920)
長尾 篤志 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (00353392)
国宗 進 静岡大学, 教育学部, 教授 (50214979)
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部旭川校, 助教授 (80344539)
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研究概要 |
平成17年度の研究を踏まえて、次のような「算数・数学の力」を構造化した。 「算数・数学の力」を構造化する際には,基本的な考え方として,数学の本質と社会の必要性の両者を考慮して,算数・数学の力を同定した。その結果,算数・数学の力として,次の4つの大きな力からなる構造を提案する。 (1)算数・数学を生み出す力 1)算数・数学できまりや方法などを見つける力,2)算数・数学で前提をもとに確かめる力,3)算数・数学で多様に考える力,4)算数・数学で関係づけて考える力,5)算数・数学で発展的に考える力 (2)算数・数学を使う力 1)現実の問題を算数・数学の問題に直す力,2)算数・数学のきまりに従って処理する力,3)算数・数学で処理した結果を振り返る力,4)算数・数学で予測・推測する力,5)算数・数学で感覚的・概括的に判断する力 (3)算数・数学で表す力 1)式・表・グラフ・図などに表す力,2)式・表・グラフ・図などを使う力,3)式・表・グラフ・図などを読む力 (4)算数・数学で考え合う力 1)算数・数学で説明する力,2)算数・数学で解釈する力,3)算数・数学で話し合う力 これらの算数・数学の力について詳細な説明を付すとともに,それぞれの力を水準化し,そして,学校段階別,学年段階別のこれらの能力を育成するための活動例を挙げた。また,小中学校の子どもの算数・数学の力の実態を授業研究によって事例的に明らかにした。さらに,文字や図形について適時性を検討し,子どもの計算のつまずきや問題解決における思考の様相を分析した。 最後に,算数・数学科の教育課程の考え方として,内容の選択や配列の基本モデルと,算数・数学の力を組み込んだ教育課程を提言した。
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