研究概要 |
1.海外現地調査 アジアでは中国(北京師範大学附属実験小学他)について,欧米ではオランダ(フロイデンタール研究所,スカラカレッジでのMath A-lympiad, Math B-day)について調査を行った。 2.わが国と諸外国の事例の収集と情報交換 わが国の数学における英才教育について,元日本数学会理事長である飯高茂・学習院大学・教授に講演いただいた。またSSH等わが国において優れた実践を推進している現場の先生方と知見を共有し,わが国の算数・数学教育の在り方を協議する機会を設けた。さらに,フィンランド,韓国,アメリカ等の事例を収集した。 3.外国の学会における講演 韓国の数学教育学会に招待され‘Developing Creativity for Mathematically Talented'というタイトルで講演した(研究分担者:大谷実・金沢大学・教授,2007年2月)。 4.創造性育成に関する5年間の研究成果のまとめ 創造性育成に関する歴史的系譜,諸外国の教育課程や授業事例,政策上の背景や社会的な影響についての検討を踏まえ,創造性育成のモデルとして次の点を提言した。 (1)問題解決や論理的思考などの形式陶冶的側面と数学の実世界への応用など実質陶冶的側面のバランスをとること。 (2)個の能力・適正等に応じた公正な教育のために,多元的な学習内容と学習指導法を開発すること。 (3)学校教育を包含する社会教育システムを構築するために,教育行政,学会,研究機関,民間団体,各種基金が連携し,創造性育成のためのサポートシステムを構築すること。 (4)数学優秀児のための特別な課程・特別学校や学級がある場合には,制度的には何歳からが適当で,創造性を含めどのようにその特別な才能を評価し,社会からの反響はどうかを見極める方法を検討すること。 5.報告書の作成 以上の結果を報告書(2007年,240ページ)としてまとめた。
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