研究課題/領域番号 |
17012019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山縣 ゆり子 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (40183678)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2005年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 転写因子 / 構造生物学 / 蛋白質の結晶化 / SBDD |
研究概要 |
がん化に転写因子が関わることは多い。がん細胞での遺伝子発現異常を考えれば、これは当然のことである。我々はともに80数残基からなる高等生物に保存され、DNA結合するEtsドメインをもつEts-2とEwing肉腫に見られる染色体転座遺伝子産物EWS/FLI1を対象として、それらと標的DNAとの複合体の立体構造をX線結晶構造解析法で決定し、両転写制御因子の立体構造に基づきがん化の仕組みを解明し、阻害剤設計へ応用する。さらに我々がすでにX線結晶構造解析を終えたヒトMTH1の欠損がアポトーシスを起こすため、新たに抗がん剤の標的となることが分かったので、hMTH1の立体構造に基づく薬物設計(SBDD)も本研究の目的とし、以下の研究を行った。 1.Ets-2については大腸菌から全長のものを大量調製したが、蛋白質の分解が観察されたので、分解しない条件を検討しつつ、C末フラグメント、Etsドメインの発現系の構築を行い、精製した。EWS/FLI1については、Ni-カラムの後、さらに幾つかのカラムを試して、結晶化できる純度まで上げることを検討しているが、溶解度の低さの解決方法を検討している。 2.精製のできたEts-2のC末フラグメントと標的DNAとの複合体の結晶化について核酸-蛋白質結晶化によく使われる条件を中心に、幅広く多様な条件でスクリーニングを行った。現在、クラスター状の微結晶が得られ、さらに条件の検討を行っている。 3.hMTH1のSBDDについては、その基質である8-oxodGTPと2-oxodATPとの複合体の結晶構造の精密化を完成させた。この結果、hMTH1は極めて珍しい2つの構造の異なる基質の認識機構を持つことがわかった。これを考慮してプログラムMOEを用いて活性部位にうまく結合する低分子化合物をライブラリーから検索し、リード化合物の侯補について細胞増殖実験で活性を調べている。
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