研究課題/領域番号 |
17013051
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | REGIα / 潰瘍性大腸炎 / Colitic cancer / IL6 / IFN-γ / アポトーシス |
研究概要 |
潰瘍性大腸炎(UC)患者からの大腸癌発癌が問題となっている。一方REG蛋白は、消化管粘膜に発現する増殖因子であるが、UC患者の大腸粘膜で高い発現が見られる。本研究では、UCの炎症粘膜から大腸癌が発症する過程におけるREG蛋白の役割について検討した。その結果(1)UC患者の大腸粘膜ではREGIα遺伝子の発現が著明に増加していること、その発現は、内視鏡重症度、病理組織のMatts gradeと良く相関していた。(2)REG蛋白は正常大腸粘膜では、内分泌細胞と思われる上皮細胞に染色された。一方UC粘膜では特に増殖帯を中心として強い染色性を示した。さらにUC患者のDysplastia部分においては特に強い染色が見られた。またColitic cancer細胞においても強い染色性を示した。これらの染色性はPCNA染色の強さと良く相関していた。(3)SW403,LoVo大腸癌細胞株を用いた検討では、IFN-γおよびIL6刺激によってreg Iα遺伝子のプロモーター活性が強く誘導された。その際、IL6刺激によってSTAT3の活性化が見られ、IL6によるreg Iα発現はSTAT3の抑制によって抑制された。(4)REGIαのconditioned mediumあるいは遺伝子の導入によって大腸癌細胞の増殖は促進され、またH2O2によるアポトーシスも強く抑制された。さらにこの際REGIα蛋白はAktのリン酸化を亢進し、Bcl-XLの発現を強く増強した。以上のように、REGIαはUC粘膜、およびUCのDysplasia粘膜、Colitic cancerにおいて発現が増強しており、その産生にIL6やINF-γなどの局所のサイトカインが関与していること、さらにREGIαには大腸粘膜の増殖作用、抗アポトーシス作用があることから、REGIαはUCにおける大腸粘膜再生や癌化に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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