研究課題/領域番号 |
17013054
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和賀 祥 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (60222402)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
27,600千円 (直接経費: 27,600千円)
2007年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2006年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2005年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | DNA複製 / EB ウイルス / oriP / ORC / EBNA1 / 複製フォーク / 複製開始点 / pre-RC形成 / アフリカツメガエル卵抽出液 / 複製開始因子 / MCM |
研究概要 |
本年度は、複製開始点での分子メカニズムを明らかにする目的で、潜伏感染Epstein-Barr(EB)ウイルスの複製開始点oriPに着目し、そこでのウイルス性複製因子EBNA1と宿主由来複製開始因子ORCとの相互作用について解析を行つた。各因子はバキュロウイルスベクターを用いた発現系により過剰発現させ、組換え体因子を調製した。これらを用いてoriP配列を含むDNAへの結合を解析したところ、EBNA1が存在するとORCのDNA結合が安定化することが明らかとなった。さらにグロマチン免疫沈降法により結合領域を調べたところ、EBNA1存在下でORCはoriP近傍に優先的に結合することが分かった。以上の結果から、oriP配列に結合したEBNA1は直接的な相互作用によってORCをoriPヘリクルートすることが示された。この結果は、これまで長い間不明であったEBNA1の複製開始における役割を初めて具体的に示すものとして重要である。 さらに、EBNA1のドメイン解析も進め、DNAが無い条件下でもORCと相互作用できるEBNA1の領域を同定した。一方、EBNA1はRNA結合活性を有することが知られており、また今回同定したORC結合領域もRNA結合活性を有することが判明した。さらに、これまでの解析からRNAがORCとEBNA1との相互作用を強める効果がある可能性が示され、また、RNAがORCのDNA結合を阻害するのに対し、EBM1を加えることによってそのRNAによる阻害効果が減少することが示された。以上のことは、oriPにおける複製開始ステップにRNAが関与することを示唆し、RNAを介した新たな複製開始調節機構が明らかになる可能性を示している。
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