研究課題/領域番号 |
17013092
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター) |
研究代表者 |
中釜 斉 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 生化学部, 部長 (30198030)
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研究分担者 |
落合 雅子 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 生化学部, 主任研究官 (90150200)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2005年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | PhIP / AOM / 大腸がん / 大腸炎 / ゲノム解析 / copy number aberration / BAC-CGHアレイ / オリゴ-CGHアレイ |
研究概要 |
ヒト発がんには環境要因が重要な役割を果たしていることが疫学的研究からも明らかにされているが、個々の臓器の発がんの原因となる環境要因の同定は殆ど進んでいない。本研究では、ヒト大腸がんの原因物質である可能性が示唆されているPhIPにより誘発されるラット及びマウスの大腸発がんモデルを用い、発がんの早期段階から浸潤性の進展段階にいたるまでの特異的なゲノム変化や、炎症をともなったPhIP大腸発がんにおける付加的ゲノム変化を明らかにすることにより、PhIP及び炎症の大腸発がんにおける役割を解明することを目的とする。方法としては、ラットのBAC CGHアレイ及びオリゴCGHアレイの作成と、これらCGHアレイを用いた網羅的なゲノム解析、及びAffymetrix社のGeneChipを用いた包括的な発現解析を行うこととした。BAC-CGHアレイの作成に関しては750個以上のBACクローンを選別しDNA抽出を既に終え、アレイの作成に着手した。12KオリゴCGHアレイに関しては、ラットゲノム情報から抽出した30ないし50塩基長のオリゴヌクレオチド約12,000個(12K)を用いたオリゴCGHアレイの構築を完了した。cy3,cy5を用いた2色標識法によるDNA試料のラベル化、Phi29による微量サンプルの定量的増幅法についても確立できた。現在、PhIP単独、AOM単独、或いはPhIP+AOM併用により誘発されたラツト大腸がんサンプルを用いて、copy numberの変化(copy number aberration)しているゲノム領域の検索を進めている。これまでのところ、ラット大腸がんではPhIP或いはAOMに特異的なゲノム変化領域は見出せていない。炎症を伴う大腸発がんのゲノム変化に関しては、マウス大腸がんモデルを用いた解析により、8番染色体上に炎症を伴う非腫瘍部の大腸上皮と大腸がん組織において共通に欠失している領域を同定出来た。現在、当該領域に存在する遺伝子の欠損が炎症に伴う大腸発がんに果たす役割についての検討を進めている。
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