研究課題/領域番号 |
17014002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤室 雅弘 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20360927)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | プロテオーム解析 / Axin / リン酸化 / Wnt / カテニン / カポジ肉腫 |
研究概要 |
我々は、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)が発現する潜伏感染関連核抗原(LANA)は宿主Wntシグナルを活性化することを明らかにしてきた。KSHV感染細胞内において、LANAはβ-カテニンの不の制御因子であるリン酸化酵素GSK3βを核内で結合・拘束し、そのリン酸化活性を阻害して、β-カテニンを安定化する。GSK3βとβ-カテニンの両者に結合するAxinはGSK3βとβ-カテニンをリクルートし、GSK3βによるβ-カテニンのリン酸化を促進するプラットフォームとして機能する。我々は、LANAはGSK3βと結合することによりGSK3βの活性を抑制すること、さらに、LANAによるGSK3βのリン酸化の制御を受ける核内基質として抗アポトーシス因子ELLを同定した。 一方、LANAは細胞内プロテアーゼによりC末端側領域で切断を受け、30kDaのC末端側断片を生成することを明らかにしている。この切断により生じたLANAのC末端側断片は核から細胞質へと移行する。LANAのC末端に結合する因子をB細胞抽出液からGST-pulldown assay、SDS-PAGEによる分離、MALDI-TOF/MS解析による同定を行なった。その結果、LANAのC末端と結合蛋白質として、IQGAP1(β-カテニンの局在性に関与)、AF-6(β-カテニンの脱ユビキチン化関与)を同定した。IQGAP1、AF-6共に、細胞質におけるβ-カテニンの安定性に影響を与えうる分子であり、これらの分子とLANAのC末端断片の機能的相互作用を解析することにより、LANAを介した未知の発がんメカニズムが解明されるものと期待される。
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