研究課題/領域番号 |
17014023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
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研究分担者 |
半下石 明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20344450)
増田 茂夫 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (10396749)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2005年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / シグナル伝達 / 薬剤反応性 |
研究概要 |
近年、小児T細胞性ヒト白血病(T-ALL)でNotch1の活性型変異が高率の認められることが報告され、Notchシグナルの恒常的活性化がヒトで腫瘍化に関わることが明確になった。成人T-ALLと小児T-ALLとは、さまざまな相違が論じられてきた。そこでまず、成人T-ALLにおけるNotch1の活性型変異を解析した。その結果、17歳から72歳の成人T-ALL 14例のうち5例でNotch1の活性型変異を見出した。さらに、本邦の16歳未満の小児T-ALL 33例を解析し、半数以上(17例)でアミノ酸の変化を伴う変異を見出した。 一方、Notch1の活性型変異が腫瘍化および腫瘍細胞の増殖に与える影響を検討し、Notchシグナルを抑制するγセクレターゼ阻害剤による抗腫瘍作用を、in vitroおよびin vivoで観察した。まず、T-ALL細胞株は高頻度にNotch1が活性化されていることを、活性化型Notch1特異的抗体を用いてWestern法により確認した。次に、これらの細胞株はγセクレターゼ阻害剤によりin vitroでの増殖が抑制され細胞死が誘導されることを明らかにした。さらに、in vitroでγセクレターゼ阻害剤により細胞死が誘導される3種類のT-ALL細胞株をSCIDマウスの皮下に移植する動物モデル系を構築し、腫瘤が1cm以上に成長したタイミングでγセクレターゼ阻害剤を連日経口投与した。全ての腫瘍種において、溶媒投与群では腫瘤が速やかに増大した。一方、γセクレターゼ阻害剤群では、投与約10日目から腫瘤が縮小し始め、その10日後には腫瘤は消失ないしほぼ消失した。
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