研究課題/領域番号 |
17014050
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邊 直樹 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80303816)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 細胞・組織 / 一分子計測 / 生体分子 / 癌細胞浸潤 / アクチン重合 / 分子モーター / 細胞シグナル / クラッチモデル |
研究概要 |
細胞外基質がアクチンネットワークへの連結が強まるとアクチン流動が遅くなり、結果先端は前に伸展するモデル(クラッチモデル)が神経細胞の成長円錐を用いた観察(Forscherら)から提唱(Mitchison and Kirschner, Neuron 1988)されている。以前の報告でForscherらはアクチン流動の計測に細胞表面に結合したビーズを用いたが、精度の高い計測はできていない。今回、スペックル顕微鏡を用い、彼等のデータを線維芽細胞を用いて再検証した。 Forscherらと同じく、アクチン流動を押さえる非選択的ミオシン阻害薬、Butanedione monoxime (BDM)処理でフィロポディアが急速に伸展した。しかし、単純なクラッチモデルからの予測に反し、その伸展は処理から〜2分の短い時間にのみ顕著なこと、その伸展速度変化はアクチン流動変化より大きいこと、葉状突起では伸展誘導がみられないなど矛盾点がみられた。BDMはアクチン重合や細胞辺縁のアクチン制御機構を用いるリステリア菌の移動には影響しないことが知られている。よって、BDM処理がフィロポディアでのアクチン重合を、なんらかの因子を介して亢進させると予想される。同時にBDM処理によってラメリポディア先端のアクチン重合の著明な減弱が誘発されることを見い出した。このラメリポディア先端の重合変化はBDMによる流動速度変化だけではなく、細胞変形時にも観察された。 現在、使用したBDMが非筋ミオシンに効かないと主張する学説があるため、他の薬剤による同様の現象の誘導を検索するため、いくつかのミオシンヘッドドメインをSF9細胞に強制発現・精製し、そのアクチン活性化ATPアーゼ活性の測定する実験系を構築した。これら生化学データの追加含め、論文準備中。
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