研究課題/領域番号 |
17016019
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川崎 広明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60332623)
|
研究分担者 |
福田 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 研究拠点形成特任教員(特任助手) (60396744)
|
研究期間 (年度) |
2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | がん / DNAメチレーション / erbB2 / プロモーター / RNAi / siRNA / 転写制御 / 二本鎖RNA |
研究概要 |
がんは、細胞内での特定の遺伝子発現やシグナル伝達経路の制御が多段階的に破綻することによって生じる疾患である。そのためがん治療を考えた場合、これらの現象に関わる分子を標的とした治療法の開発が望まれる。本研究では、erbB2などのがん遺伝子のプロモーターのCpG配列を標的とした二本鎖RNAを構築して、DNAメチル化を介した転写レベルでのがん遺伝子発現抑制およびがん細胞の増殖抑制について検討することを目的とする。この二本鎖RNAによるDNAメチル化を介した転写レベルでの遺伝子発現抑制は、独創性が高く、また将来的ながん治療についてユニークで新しい治療薬としての応用が期待できると考えている。二本鎖RNAによるDNAメチル化誘導とがん遺伝子の転写レベルでの発現抑制を組み合わせることによってがん治療への応用を目指した新たな研究の創造が期待できる。 はじめにがん遺伝子erbB2に対するそのプロモーター領域を標的とした二本鎖RNAの設計を行った。二本鎖RNAの標的部位は、CpG配列に富んだ領域を選択している。この設計をもとに500塩基程度の長鎖の二本鎖RNAを発現するベクターを構築した。このベクターは、同じ遺伝子領域からセンス鎖プロモーターとアンチセンス鎖プロモーターから二本鎖RNAを発現させるシステムである。転写されたRNAは、細胞核内でdsRNAを形成して、細胞核内に存在するリボヌクレアーゼによって21-25塩基の短いRNAにプロセシングされると考えている。このベクターをMCF-7細胞に導入し、導入96時間後にゲノムDNAを回収し、ゲノムDNA上のerbB2プロモーター領域のメチル化についてメチル化感受性制限酵素を用いて解析した。その結果、二本鎖RNA発現ベクターを導入した細胞においてerbB2プロモーター領域のメチル化が検出された。
|