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女性ホルモン依存性がんに対するナノテクノロジー技術を用いた新しいDDSの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17016027
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関金沢大学

研究代表者

井上 正樹  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10127186)

研究分担者 生水 真紀夫  千葉大学, 医学系研究科, 教授 (30226302)
村上 弘一  金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (20242555)
由井 伸彦  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (70182665)
研究期間 (年度) 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
キーワードホルモン依存性 / 女性ホルモン / 子宮内膜癌 / アロマターゼ / ヒアルロン酸
研究概要

全身的な副作用を軽減した子宮内膜症に対する局所治療の開発を目的として、ヒアルロン酸を用いた薬剤送達システム(DDS)として、ダナゾール含有生体内分解性薬剤除放出ゲル(DZゲル)を考案した。
作成したダナゾール(DZ)ゲルは、ヒアルロン酸にグルタリル基を導入することにより形成される微少な疎水性の腔にダナゾールが保持されている。DZゲルは病巣部のヒアルロニダーゼや活性酸素により分解され、内包されていたダナゾールが周囲組織に放出される。1%、1.5%、2%のヒアルロン酸ゲルは14日間でそれぞれ98%、73%59%のダナゾールを放出した。側鎖導入率を0.3としたDZゲルは14日間で97%のダナゾールを放出するが、0.6では48%のダナゾールを放出した。
組織培養系の実験では、ラット子宮内膜上皮細胞を分離培養し、ダナゾールゲルの増殖抑制効果を検討した。10Mダナゾールで著明な抑制効果を認めた。
動物実験系では、ラット子宮内膜症モデルを子宮内膜片をラット腹部皮下に自家移植することにより作成した。形成された子宮内膜嚢腫にDZを局所注入し、その病理組織像、体積変化、子宮内膜嚢腫組織中および血中ダナゾール濃度並びに性周期を検討した。DZゲルを投与した子宮内膜嚢腫の上皮細胞は投与しない嚢腫に比較して、細胞質の減少、核周囲の空胞化や核濃縮像を示した。PCNA抗体溶性細胞数は対照群3.7に対してDZ投与群では0.9で細胞死の著明な増加と増殖能の低下が認められた。子宮内膜嚢腫壁のダナゾール濃度は1週目で30μMと高値を示し、3週目でも6μMの濃度が維持された。一方、血漿中ダナゾール濃度は1週目で4ng/mlであったが、2週目以降は1ng/ml以下であった。子宮内膜嚢腫の体積変化は、DZゲル投与後9週間で約60%に縮小した。またDZゲル投与期間中の性周期は正常に保たれ、排卵数においても対照群との間に有意差を認めなかった。
この結果から、DZゲルを用いたダナゾールの局所療法は、性周期を保った状況下で子宮内膜症の病巣を縮小させることが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Local application of danazole-loaded hyaluronic acid hydrogel to endometriosis in a rat model.2006

    • 著者名/発表者名
      Nomura K, Murakami K, Shozu M, Yui N, Inoue, M et al.
    • 雑誌名

      Fertil Steril (In press)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Danazol inhibits aromatase activity of endometriosis-derived stromal cells by a competitive mechanism.2006

    • 著者名/発表者名
      Murakami K, Nomura K, Shozu M, Inoue M, et al.
    • 雑誌名

      Fertil Steril (In press)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Aromatase expression in stromal cells of endometrioid endometrial cancer correlates with poor survival.2005

    • 著者名/発表者名
      Segara T, Shozu M, Murakami M, Inoue M, et al.
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research 11

      ページ: 2188-2194

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2018-03-28  

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