研究課題/領域番号 |
17016055
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
向 高弘 九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (30284706)
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研究分担者 |
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 腫瘍 / 骨転移 / レニウム / ビスホスホネート / 内用放射線治療 |
研究概要 |
二官能性放射性薬剤の概念に基づき、安定な^<186>Re錯体を形成するMAG3をビスホスホネート骨格に導入した化合物、^<186>Re-MAG3-HBPを合成した。^<186>Re-MAG3-HBPの体内分布を正常マウスを用いて調べたところ、高い生体内安定性を示すと同時に、骨への選択的な放射能分布を認めた。そこで、ラット乳癌細胞MRMT-1を雌性SDラットの左足脛骨の骨髄腔に移植することにより骨転移モデルラットを作製し、本化合物の有用性を評価した。腫瘍細胞移植3週間後のモデルラットに対し、^<186>Re-MAG3-HBP(222、111、55.5MBq/kg)、もしくは^<186>Re-HEDP(55.5MBq/kg)を単回投与した。まず各化合物のこのモデルに対する疼痛緩和効果を評価するためにvon Frey filament testを行った。その結果、^<186>Re-MAG3-HBP投与群は、非投与群に対して有意な疼痛緩和効果を示した。^<186>Re-HEDP投与群も疼痛緩和効果を示したが、その効果は、^<186>Re-MAG3-HBP投与群の方が大きかった。また、非放射性のRe-MAG3-HBPを投与した群では、有意な疼痛緩和効果は観察されなかった。一方、腫瘍容積の変化を経時的に測定したところ、^<186>Re-MAG3-HBP投与群では、非投与群と比較して有意に腫瘍の増殖が抑制されたが、^<186>Re-HEDP投与群では抑制効果は認められなかった。また、副作用の指標として血球数を経時的に計測した結果、いずれの群においても有意な血球数の減少は認められなかった。 以上の結果から、二官能性放射性薬剤の概念に基づいて設計され、生体内での高い安定性と、選択的な骨集積性を有する^<186>Re-MAG3-HBPが、転移性骨腫瘍の内用放射線治療薬として有用であることが示された。
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