研究課題/領域番号 |
17019017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福居 俊昭 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80271542)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 生分解性プラスチック / 環境調和型材料 / ポリヒドロキシアルカン酸 / バイオマス / ゲノム / 組換え微生物 |
研究概要 |
微生物が貯蔵物質として合成するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は環境低負荷型の生分解性プラスチックとして注目されている。そこで本研究では、微生物ゲノム情報を基盤として物性の優れたポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)共重合体[P(3HB-co-3HHx)]を効率生産する微生物を分子育種することを目指す。今年度は重要なバイオマスである糖質を原料として、P(3HB-co-3HHx)を合成可能な組換え大腸菌株の作製を試みた。まず、基質特異性の広いA.caviae由来PHA合成酵素、チオラーゼ、およびアセトアセチル-CoA還元酵素をコードする3遺伝手の人工オペロンを含む低コピープラスミドpMW-CABを作製し大腸菌に導入することで、グルコースを炭素源としたポリ(3-ヒドロキシブタン酸)[P(3HB)]合成能を付与した。次に、炭素鎖をさらに伸長して炭素数6の3HHx-CoAユニットを供給する代謝経路を構築するため、クロトニル-CoA還元酵素、広基質特異性チオラーゼ、広基質特異性3-オキソアシル-CoA還元酵素、(R)-エノイル-CoAヒドラターゼをコードする4遺伝子を、アラビノース添加により制御可能なBADプロモーター下流に配置したプラスミドpBAD-3HHxを作製した。pMW-CABおよびpBAD-3HHx両方を保持する大腸菌株を選抜してグルコースを炭素源としたP(3HB-co-3HHx)の生合成を試みたが、合成されたのはP(3HB)ホモポリマーで、3HHxユニットを含む共重合体を合成するにはいたらなかった。この際、アラビノースを添加して導入遺伝子を転写誘導すると生育阻害の兆候が観察された。これは導入した4遺伝子の発現が強すぎたために菌体全体の代謝を撹乱してしまった可能性が挙げられる。今後、誘導時期や誘導条件の検討により糖質を原料とした[P(3HB-co-3HHx)]共重合体の微生物合成を達成することを目指す。
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