研究課題/領域番号 |
17019050
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑原 知巳 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (60263810)
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研究分担者 |
中山 治之 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294669)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Bacteroides / DNA inversion / 遺伝子発現調節 / 莢膜多糖 / 外膜タンパク質 / 表層抗原性 / 病原性 / 常在性 |
研究概要 |
Bacteroides fragilisはヒト大腸に常在する偏性嫌気性グラム陰性桿菌である。本菌種のゲノム上には外膜蛋白質や莢膜多糖などの菌体表層構造の構築に関与する遺伝子群の発現をpromoter領域のDNA inversionによってon-off制御している領域が少なくとも31箇所存在する。本菌種の病原性に関与する莢膜多糖生合成領域の7領域とその他の7領域における遺伝子発現のon-off制御はMpiと呼ばれる一つの部位特異的組換え酵素によって行われているが、その他の領域のDNA inversionを制御する部位特異的組換え酵素遺伝子は同定されていない。本研究は、B.fragilisの多様な表層抗原性を生み出すゲノムシステムを理解するため、promoter領域のDNA inversionに関与する全ての部位特異的組換え酵素遺伝子群を同定することを目的としている。本研究において我々は、莢膜生合成遺伝子のpromoter領域のDNA inversionを制御する部位特異的組換え酵素遺伝子(BF2765)と近接して存在するClass IV領域のDNA inversionを制御する部位特異的組換え酵素遺伝子、BF2766を同定した。Class IV領域はB.fragilisのゲノムに2箇所存在するが、そのうちの1つに部位特異的組換え酵素遺伝子BF2766が近接している。B.fragilis YCH46株においてBF2766の欠損変異株を作成し、Class IV領域のDNA inversionの状態をPCRで確認した結果、BF2766の欠損変異株では2領域ともにpromoterの向きが1方向に固定されており、BF2766がclass IV領域のDNA inversionを制御する責任遺伝子であることを明らかにした。現在、B.fragilisのゲノムに存在する全ての部位特異的組換え酵素遺伝子を標的として遺伝子破壊株の作成を進めている。
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