研究課題/領域番号 |
17021007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飯島 敏夫 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90333830)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2005年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 神経回路 / 高次脳機能 / 光計測 / ウイルスベクター |
研究概要 |
これまで膜電位感受性色素を用いた神経活動の超高速イメージング法によりサル大脳の運動関連領野の機能的構造の研究を行ってきた。しかし従来の光計測法では色素が観測部位のニューロンすべてを「非選択的」に染色してしまうため、計測されるシグナルは複雑な神経回路活動の「総和」を表すことになり、特定神経回路や神経素子の活動を単独で検出することが困難であった。この問題を解決するため我々は観測したい神経回路に含まれるニューロン集団だけの活動を選択的に検出できる分子プローブ技術の開発を目指した。さらにこの技術を運動関連領野の機能的構造解析に実用化できるよう、基盤技術の開発を行った。 この技術をまずin vitro実験で確立することを目指した。狂犬病ウイルスベクターを作成し、培養神経細胞に遺伝子導入してFRETドナーであるGFP(Venus)を発現させた。FRETアクセプターとして合成したDisbac6(5)をもちいると従来の100倍も大きな膜電位感受性光シグナルを得ることに成功した。又、電位-光反応の時定数は5マイクロ秒ほどであり、膜電位変化に対して光シグナルの大きさ変化をプロットすると高い直線性を示したことから、膜電位感受性FRETシステムが完成したと判断された。次いで神経回路、および神経応答の実態が良く知られているラット海馬にウイルスベクターを注入し、急性脳スライス標本において神経活動をモニターした。その結果、神経活動を忠実に反映した光シグナルを得ることができた。現在、サルを対象とした実験基盤形成に取り組んでいる。研究を進める中でin vitro脳スライス実験では十分であるが、大脳皮質からのin vivo計測ではプローブタンパク発現量をさらに増やす必要があることが明らかになった。そこでウイルスベクターの遺伝子構造改変を行い、目的に近いプローブタンパク産生量が得られるようになった。
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