研究課題/領域番号 |
17021024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢部 大介 京都大学, 医学研究科, 助手 (60378643)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Notch / RBP-J / Mint / 神経細胞分化 / 大脳皮質形成 / 神経幹細胞 |
研究概要 |
Notch受容体を介した細胞間相互作用による神経系構築及び機能発現機構の解明を目的とする。特にNotchシグナルの破綻が記憶学習などの脳機能に与える影響を明らかにしたい。これまでの研究からNotchシグナルが中枢神経系の構築ならびに機能発現に重要な役割を果たすことが強く示唆される。が、Notchシグナルは胎生早期より広範な組織の発生に重大な役割を担うため、遺伝子欠損マウスを用いて生体内におけるNotchシグナルの役割を解明することは困難であった。さらに哺乳動物ゲノム上に4種類のNotch受容体に加え、複数のリガンドが存在することも研究を難しくしてきた。本研究では、1)全Notchシグナルの中枢分子RBP-Jを神経前駆細胞もしくは成熟神経細胞にて欠失させNotchシグナル阻害が神経発生ならびに神経機能に与える影響の解析、2)全Notchシグナルを抑制するMintをRBP-J同様に欠失させ、Notchシグナル過剰活性化が及ぼす影響の検討、3)RBP-J欠損とMint欠損の比較からNotchシグナルが制御する遺伝子ネットワークの同定を通じて、Notchシグナルが中枢神経系の構築ならびに機能発現に果たす役割の全容解明を計画した。本年度は、神経幹細胞特異的にRBP-J及びMintを欠損させ大脳皮質発生に及ぼす影響を検討した。RBP-J欠損では神経分化が促進されることに対し、Mint欠損では神経分化が遅延することを見出した。さらに、Mint及びRBP-Jをダブル欠損した大脳皮質では、RBP-J単独欠損と同様、神経分化が促進することから、Mint欠損による神経分化遅延がNotchシグナルを介することが示唆される。従って、大脳皮質形成にてMintはNotchシグナルを負に調節することで、適切なタイミングで適切な数の神経細胞を生み出すメカニズムに重要な役割を担うと考えられる(投稿準備中)。今後は、電気生理学や行動学的手法も加え、Notchシグナルの破綻が成体脳機能に与える影響を検討する。
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