研究課題/領域番号 |
17021046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
窪田 芳之 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教授 (90192567)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 樹状突起 / シナプス / 3次元再構築 / Rall model / 非錐体細胞 / GABA / 大脳皮質 / Neurolucida |
研究概要 |
大脳皮質の非錐体細胞の樹状突起のシナプス入力特性と太さに関する検討を行った。ラットを麻酔の後、脳を取り出し前頭皮質のスライスを作成し、非錐体細胞と思われる神経細胞を選び、ホールセル記録をとった。膜の性質を調べた後、バイオサイチンを注入し固定液に浸けて固定した。その後、注入神経細胞だけをDAB染色で茶色に染色し、電子顕微鏡解析用にエポンで包埋した。神経細胞3次元描画像解析装置(NeuroLucida)を用いて樹状突起や軸索の分岐の頻度や、終末の総数等の形態的な特徴を抽出し定量化し、どのサブタイプに属するかを検討した。以上の方法で作成した、数百に及ぶ、神経細胞標本の中から、FS basket細胞、Martinotti細胞、double bouquet細胞、large basket細胞それぞれに関して、樹状突起がほぼ完全にスライス標本中に残っているものを1つずつ選出し、連続超薄切切片を作成し電子顕微鏡観察した。樹状突起上のシナプス入力、樹状突起の太さ、樹状突起分岐部分の親樹状突起と娘樹状突起の太さを測定し、それぞれ細胞体からの距離との相関等の形態的なデータを解析した。結果、シナプス入力は、細胞体近傍の50μmあたりまでは密度が低かったが、それより遠位部は一定の密度である事がわかった。樹状突起の太さは、細胞体からの距離には相関せず、むしろその部分から遠位部の樹状突起の総延長に相関して太さが決まる事がわかった。また、分岐点では、Rall model(親樹状突起のインピーダンスは2つの娘樹状突起のインピーダンスの和に等しいという法則)が当てはまる事を証明する事ができた。以上の結果は、神経細胞の基本的特徴を解析したこれまでに類い稀な貴重な結果であると考える。
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