研究課題/領域番号 |
17021053
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
中村 俊 国立精神・神経センター, 神経研究所診断研究部, 部長 (00134619)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 社会性行動 / 刷り込み学習 / コミュニケーション / ヒヨコ / 臨界期 / peer relationship / 発達障害 / social deprivation |
研究概要 |
社会的意味の共生の発達機構を明らかにするために、ニワトリのヒヨコをモデルに行動学的解析を行った。ヒヨコは孵化後親の養育をうけなくとも自力で餌をとり成長するため、母子間相互作用とは独立に、同世代の仲間との相互作用による社会性の獲得過程を研究することが出来る点で、優れたモデル動物であると考えられる。社会的意味行動としてはfamiliarな仲間に対する接近行動、およびcallに着目し、計測を行った。即ち、2個の対面したテストケージの一方にテストヒヨコを、もう一方にfamiliarな仲間を入れ、その行動をケージの上方からビデオ撮影後、(1)運動の軌跡および速度、(2)頭部の中心を始点として嘴の先端を終点とするベクトルの方位を計測した。Callについては、ソノグラムおよびオシログラムの解析から音質と強度を計測した。社会性行動の発達と感覚-運動的相互作用の関連を調べるために、飼育条件を制御し、孵化直前から複数個体で飼育した場合、単独で飼育した場合、特定の感覚のみをコミュニケーション手段として使用できる場合を設定し、2週間飼育した後、上記の方法で社会性行動を計測した。その結果、集団で飼育した場合は、視覚的、聴覚的に呈示された仲間に対する、積極的な接近行動が見られ、callがisolation callからassociation callに変化した。これに対し、単独飼育の場合は、freezingあるいはescaping行動となり、callの変化も起こらなかった。特定の感覚でコミュニケーション可能とした条件では、そのmodalityのみで社会化がみられた。なかでも聴覚的なコミュニケーションが社会化に有効であった。さらに、社会的意味行動の獲得に関わる脳の発達と遺伝子の関連を明らかにするために、社会化したヒヨコと個別飼育されたヒヨコの脳組織を調製し、DNAチップを用いた網羅的遺伝子発現解析を行っている。
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