研究課題/領域番号 |
17023009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
齋藤 康彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70290913)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 前庭神経核 / 神経回路 / 自発発火特性 / パッチクランプ / in vivo標本 / スパイク後過分極 / スライス / ラット |
研究概要 |
前庭神経核内の局所神経回路を構成するニューロンの特徴を明らかにするため、まず、個々のニューロンのベースとなる活動(自発発火)様式と膜特性の関係について調べた。生後約3週齢のラットからスライス標本を作製し、ホールセルパッチクランプ法により記録を行った。前庭神経核ニューロンの膜特性の一つであるスパイク後過分極(AHP)は、一相性のAHP[AHP(s-)]と二相性のAHPに分類され、さらに、二相性のAHPは時間的に速い成分と遅い成分との間に一過性の脱分極が見られるもの[AHP(s+) with ADP]とみられないもの[AHP(s+)]に分けられる。これらの3種類のAHPのうち、AHP(s+)を示すニューロンの発火パターンは規則的であったのに対し、AHP(s-)またはAHP(s+)with ADPを示すニューロンの発火パターンは不規則であった。AHP(s+)を示すニューロンに、カルシウム依存的カリウムチャネル(Kca)のブロッカーであるアパミンを投与したところ、遅い成分が消失し、発火パターンが不規則になった。このことから、Kcaの活性化によって生じる遅い成分の出現が発火パターンの規則性に重要であることが示唆された。以上のような自発発火の規則性とAHPとの関係がin vivoにおいてもみられるのかを調べるため、ラットのin vivo標本において、ホールセルパッチクランプ法による記録を試みた。その結果、前庭神経核ニュー・ロンからのin vivoホールセル記録に世界で初めて成功し、上記の関係がin vivoにおいても適用されることが明らかになった。今後は、この知見をもとに、前庭神経核内の局所神経回路を構成するニューロンを同定し、機能的役割について調べる。
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