研究課題/領域番号 |
17024004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福永 浩司 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90136721)
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研究分担者 |
森口 茂樹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70374949)
塩田 倫史 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00374950)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | CaMキナーゼII / ドパミン / 神経可塑性 / 情動行動 / カルシウム |
研究概要 |
哺乳動物の認知機能に関与する神経回路と神経可塑性研究に比べて、注意、意欲、情動に関与する神経回路発達と神経可塑性研究は遅れている。私達はドパミン受容体を介する新しいシグナル伝達を見出した。即ち、cAMPを介するシグナル伝達に加えて、ドパミン受容体はD1およびD2受容体ともに細胞内カルシウム動員系を活性化する。その結果、カルシウム/カルモデュリン(CaM)依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)とカルシニューリンを活性化することが解った。特に、D2受容体の刺激はCaMKIIを活性化して脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を亢進させた。一方、カルシニューリンもD2受容体刺激で活性化され、MAPキナーゼであるERKを介して、転写因子NF-κBを活性化した。これらのことはD2受容体はGi蛋白質を介して、D1受容体シグナル伝達を抑制するのに加えて、カルシウム系を活性化して神経細胞の生存に関わることを示唆している。D2受容体は自己受容体として黒質、腹側被蓋野のドパミン神経に発現している。黒質ドパミン神経にγA、γC、δ1、δ3型のCaMKIIが発現することを見出した。特にδ3アイソフォームは黒質の核内に存在してBDNFの発現に関与していた。また、D2受容体の細胞膜発現に対してCaMKIIが促進的に働くことを見出した。これらのBDNF発現によるドパミン神経の生存と、D2受容体の神経活動依存的な細胞膜局在化の生理機能を解明するために黒質ドパミン神経に恒常的活性型CaMKIIを過剰に発現する遺伝子改変マウスを作成した。行動解析とドパミン神経の神経可塑性の解析からドパミン神経におけるCaMKIIの生理機能をさらに追究する。
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