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成体神経幹細胞の運命決命を司る海馬回路網からの入力機構を解明する分子生理学研究

研究課題

研究課題/領域番号 17024012
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京大学

研究代表者

久恒 辰博  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10238298)

研究期間 (年度) 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード海馬 / 記憶 / 成体脳のニューロン新生 / GABA / シータ波 / 神経幹細胞
研究概要

「人間の脳の細胞数は、子供のころにピークに達した後に、年をとるとともに衰える一方である」と考えられてきた。ところが、近年、記憶にかかわる海馬においては、どんなに年をとっても新しくニューロンが生み出されていることが発見され、この現象が大いに注目されている。申請者らは、これまでに、ネスチン-GFPトランスジェニックマウスを使用することで、成体海馬には分化段階の異なる2種類の神経幹細胞(タイプ1とタイプ2)が存在していることを示し、急性脳スライス内でこれらの細胞を同定し、蛍光顕微鏡下で狙いを定めて膜電流記録用の微小ガラスピペットを接着させる技術を開発してきた。本研究のポイントは、成体脳において、海馬回路網が、新生ニューロンの分化過程をどのように制御しているかについて、分子生理学的に明らかにする点にある。本研究により、タイプ2神経幹細胞に、GABA線維の入力があることが判明した。そして、特に、学習記憶時などに海馬に観察されるシータ波による電気刺激によって、タイプ2神経幹細胞にGABA性膜電流応答が誘起されることが判明した。また、抗体電子顕微鏡観察により、GABA線維がタイプ2神経幹細胞に到達していることが示唆された。阻害薬を用いた薬理解析により、この神経刺激を仲介している分子がGABA_A受容体であることが示された。GABA刺激の後、タイプ2神経幹細胞にカルシウム応答が誘起されることを顕微鏡画像イメージング解析により確認した。この刺激によりニューロンへの終末分化が促進されることが推定されたため、GABA系に作用する薬剤(作動薬と阻害薬)をマウスに投与した。この結果、GABA刺激により、タイプ2神経幹細胞からニューロンへの分化が促進されることが確かめられた。本研究で得られた結果から、学習行動により海馬でシータ波が発生することにより、新生ニューロン数が増加することが推定された。

報告書

(1件)
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] GABAergic excitation promotes neuronal differentiation in adult hippocampal progenitor cells2005

    • 著者名/発表者名
      Tozuka Y, Fukuda S, Namba T, Seki T, Hisatsune T
    • 雑誌名

      Neuron 47

      ページ: 803-815

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Transplantation of GABAergic neurons into adult mouse neocortex2005

    • 著者名/発表者名
      Muramatsu D, Sato Y, Hishiyama S, Miyamoto Y, Hisatsune T
    • 雑誌名

      Experimental Neurology 194

      ページ: 1-11

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Layer-specific production of nitric oxide during cortical circuit formation in postnatal mouse brain2005

    • 著者名/発表者名
      Imura T, Kanatani S, Fukuda S, Miyamoto Y, Hisatsune T
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex 15

      ページ: 332-340

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 大人の脳の鍛え方2005

    • 著者名/発表者名
      久恒辰博
    • 総ページ数
      166
    • 出版者
      KKベストセラーズ
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 何でもうまくいく女性の脳トレ2005

    • 著者名/発表者名
      久恒辰博
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      主婦の友社
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [産業財産権] 哺乳動物の海馬におけるニューロン新生を促進する組成物2005

    • 発明者名
      久恒 辰博
    • 産業財産権番号
      2005-356712
    • 出願年月日
      2005-12-09
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2018-03-28  

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