研究課題/領域番号 |
17024019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 浩一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303272)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | プルキンエ細胞 / 登上線維 / 平行線維 / 代謝型グルタミン酸受容体 |
研究概要 |
細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]i)上昇は、細胞外からのイオンチャネルなどを介するCa^<2+>流入と、細胞内ストアーからのCa^<2+>放出の二つに大別される。後者は、細胞内Ca^<2+>ストアーと考えられている滑面小胞体膜に存在するイノシトール3リン酸受容体(IP3-R)とリアノジン受容体(Ry-R)を介して生ずる。IP3-RやRy-RからのCa^<2+>放出は、細胞内Ca^<2+>ストアーのCa^<2+>充填率によって影響を受けると考えられるため、Ca^<2+>ストアーの充填率に影響を与える因子の探索、およびそれらを介した異シナプス間相互作用の可能性などについて、実験系として小脳プルキンエ細胞を用いて解析をおこなった。 マウス小脳からスライスを切り出し、小脳プルキンエ細胞からホールセルパッチクランプ法で記録をとり、記録電極からCa^<2+>蛍光指示薬を細胞内に充填した。平行線維連発刺激(100Hz,5発)によりシナプス直下に存在する代謝型グルタミン酸受容体1型を活性化してIP3-Rを解するCa^<2+>放出(IICR)をおこし、このIICRがストアー充填に影響を与えるような各実験操作でどのように変化するかを調べた。 平行線維のIICRは、登上線維の1Hz・60発の連続刺激により、数分間にわたって増強した。登上線維刺激回数依存性を解析したところ、1Hz・10発から増強が引き起こされることが分かった。このIICR増強現象は、プルキンエ細胞の直接的な脱分極により引き起こすことができたため、登上線維による代謝型受容体等の活性化によるものではなく、脱分極による細胞外からのCa^<2+>流入が必須であることが明らかになった。 また、Ry-Rをリアノジンを用いて開口させると、IICRが抑制された。この結果は、Ry-Rの活動はCa^<2+>ストアーの充填率を減少させ、シナプス部位でのIICRを抑制する効果があることを示唆している。
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