研究課題/領域番号 |
17024030
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
星野 幹雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (70301273)
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研究分担者 |
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 助手 (60359792)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | cerebelless / Ptfla / 小脳 / すい臓 / GABA作動性 / グルタミン酸作動性 / Math1 / bHLH |
研究概要 |
我々はあるトランスジェニックマウス作製の過程で、成体において、小脳皮質の全ての領域を欠失し、よろめく、頻繁に転倒するなどの小脳失調性症状を示す、新たな突然変異マウスcerebellessを得た。このマウスの小脳原基では全ての発生過程を通じて、GABA作動性の抑制性神経細胞が全く誕生してこないが、グルタミン酸作動性の興奮性神経細胞は生まれてくる。発生が進むにつれて、顆粒細胞は二次的に消失するが大型小脳核神経細胞は成体まで残る。連鎖解析などから、膵臓の発生に関与するbHLH転写因子をコードするPtfla(pancreas transcription factor la)遺伝子が原因遺伝子であると判明した。また、in situハイブリダイゼーションにより、Ptfla遺伝子は小脳原基の脳室帯の神経上皮細胞で発現するが、そこから生み出される分裂を停止した神経細胞では発現しないことが示された。Ptfla遺伝子座にノックインされたCreリコンビナーゼの活性を用いたlineage trace解析から、全ての種類の小脳GABA作動性神経細胞が小脳脳室帯のPtflaを発現する神経上皮細胞由来であることがわかった。さらに、小脳脳室帯の神経上皮細胞におけるPtflaの発現が失われると、そこから神経細胞は生み出されるがその後GABA作動性とはなれないことも示された。以上の結果から、Ptflaが小脳脳室帯の神経上皮細胞で発現し、そこから生み出される細胞がGABA作動性神経細胞へと分化するのに必須な働きをしていることが明らかになった(Hoshino et al., Neuron 2005)。
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