研究課題/領域番号 |
17024050
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
斎藤 太郎 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (70301413)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Cdk5 / シナプス可塑性 / サイクリン依存性キナーゼ / プロテインキナーゼ / プロテインホスファターゼ |
研究概要 |
Cdk5/p35は分化した神経細胞で機能するSer/Thrキナーゼであり、最近、成熟神経細胞でのシナプス活動に関与することが明らかになってきた。申請者らはp35欠損マウス(p35^<-/->マウス)海馬ではLTPが誘導され易くなっていることを見つけ、Cdk5がシナプス活動に抑制的に働く因子であると考えてこの原因を検討した。マウス海馬急性スライスをNMDA刺激すると、培養神経細胞と同様にp35が分解されてCdk5は不活性化し、Cdk5の基質であるInhibitor-1(I-1)の脱リン酸化が見られた。I-1はプロテインホスファターゼ1(PP1)の阻害因子として知られ、LTP誘導で重要な働きをすると考えられている。そこでp35^<-/->マウス海馬のI-1を調べると、予想に反して野生型よりもリン酸化が昂進していた。P35^<-/->マウス海馬スライスでI-1のリン酸化は野生型と同様にCdk5の特異的阻害剤により抑制されたことから、p35のアイソフォームp39によるCdk5の活性化の可能性を考えた。海馬でp39の発現を調べたところ、p35^<-/->マウスではp39のタンパク量が増加していた。In vitroでCdk5/p39はCdk5/p35と同様にI-1をリン酸化した。また、マウス海馬急性スライスをNMDA刺激するとp39の分解も見られたことから、I-1はCdk5/p39によってリン酸化されている可能性が示唆された。Cdk5によるI-1のリン酸化は、I-1によるPP1の阻害に拮抗すると考えられているが不明な点が多く、LTPにおける役割と共に今後の課題であると考えられる。また、これまでCdk5/p39の神経細胞における機能は全くわかっていない。今後、Cdk5/p35だけでなくCdk5/p39についてもシナプス活動における解析が必要であると考えられた。
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