研究課題/領域番号 |
17024070
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藁科 知子 独立行政法人産業技術総合研究所, ジーンファンクション研究センター・機能性RNA研究チーム, 研究チーム長 (90358391)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | NRSE / NRSF / REST / 機能性RNA / 神経分化 / 転写因子 / モジュレーターRNA |
研究概要 |
我々の研究グループでは機能性RNAについて研究を行ってきた。成人における海馬領域の神経新生に注目し、その神経新生を促す小さなsmall modulatory RNAを近年発見した。このsmRNAはmiRNAやsiRNAと同様に20残基ほどの長さのdsRNAで、特徴的なNRSEと呼ばれる配列をもつ。 これまでに幹細胞の運命決定を制御する新規のsmRNAが、転写段階を活性化して神経新生を促進することは分かったが、限られた時と場所にのみ精密に発現されるsmRNA自体の制御機構は分かっていなかった。ステージ特異的にsmRNAを生み出す詳細な機構が分かれば、miRNAやsiRNAとは違うsmRNAの存在意義をより深く認識でき、さらに他のsmRNAの発見にもつながると予想される。我々はこれまでバイオインフォマティクスのデータ解析により、神経新生細胞に特異的に転写活性化される転写因子結合配列が数多く含まれ、ゲノムのノンコーディング領域にクラスターとなって存在するエレメントの中に、多くのNRSE配列が含まれていることを見いだした。ゲノムのノンコーディング領域では、転写活性化因子のステージ特異的な結合がおこることをin vitroの解析から明らかにし、クラスターを作っているエレメントからNRSE smRNAの前駆体となるノンコーディングRNAが盛んに産出されていることを突き止めた。このノンコーディングRNAの転写が神経初期段階の細胞特異的に起きることは、in vivoの実験でも明らかになりつつあり、機能性RNAのモデルマウス作成に着手できる段階である。また、これら前駆体RNAからトリミングされて小さなRNAができるまでの詳細なメカニズムは、これからの研究で明らかにしていきたいと考えている。
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