研究課題/領域番号 |
17025001
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有賀 寛芳 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20143505)
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研究分担者 |
有賀 早苗 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90184283)
平 敬宏 山梨大学, 大学院・医学総合研究部, 教授 (70197036)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 神経科学 / 遺伝学 / プロテオーム / 神経変性疾患 / ゲノム |
研究概要 |
1)DJ-1の機能 (1)抗酸化ストレス能 従来の結果に加えて、ビスフェノールAが活性酸素を誘発し、ミトコンドリア阻害を起こし、DJ-1がその防御に当たる事を示した。更に、C106が酸化されたDJ-1のみを認識する抗体を作成した。 (2)ミトコンドリアの機能調節 DJ-1はミトコンドリアComplex1に直接結合し、DJ-1ノックダウン細胞ではComplex1の酵素活性が低下していることから、DJ-1はComplex1の正の制御因子であることが明らかとなった。 (3)転写調節因子 DJ-1は転写coactivatorあるいはcorepressorとして作用する。ターゲット遺伝子として、アンドロゲン受容体、p53に加えて、tau遺伝子の転写抑制を行うことでストレス防御にあたる。 (4)プロテアーゼ DJ-1はParkinの基質であるPael受容体、家族性アミロイドポリニューロパシーの原因タンパク質トランスサイレチンを分解することを明らかにした。 2)パーキンソン病治療薬候補としてのDJ-1と、酸化ストレス誘導細胞死抑制能を有するDJ-1結合化合物の同定 6-ヒロドキシドーパミンを中脳黒質に注射したパーキンソン病モデルラットに同時にDJ-1タンパク質を注射すると、黒質、線条体のドーパミン神経細胞死とそれに伴う行動異常を劇的に(90%)抑制した。次に、DJ-1の活性中心であるシステイン106領域に結合する化合物をバーチャルスクリーニングした。得られた複数の化合物は過酸化水素誘導によるSH-SY5Y細胞死を顕著に抑制し、細胞内の活性酸素を除去した。 3)DJ-1とパーキンソン病以外の神経変性疾患 (1)脳梗塞 脳虚血による脳梗塞モデルラットにDJ-1タンパク質を注入すると、神経細胞死と行動機能低下が60%以上軽減された。脳梗塞後、DJ-1は脳精髄液に分泌される。 (2)家族性アミロイドニューロパシー(FAP) DJ-1はFAP原因タンパク質transthyretin(TTR)とともに細胞外に分泌されTTRを分解した。FAP患者ではDJ-1が血清中に分泌されるが、健常人、FAP発症前carrierでは分泌されない。
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