研究課題/領域番号 |
17025015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80322056)
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研究分担者 |
青木 茂樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80222470)
梅景 正 東京大学, 保健センター, 講師 (20323587)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 統合失調症 / ニューロイメージング / 遺伝子多型 / 中間表現型 / BDNF / COMT / GRM3 / エンドフェノタイプ |
研究概要 |
3次元MRI・近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)・多チャンネル脳磁図(MEG)計測システムからなる非侵襲マルチモダリティ脳計測技術と分子遺伝学的解析を双方向的に組み合わせ、統合失調症の脳病態を統合的に明らかにすることを目的とした。右利き統合失調症患者および健常者を対象とし、脳構造指標として1.5Tの3D-MRI撮像、脳機能指標としてはNIRS(前頭葉賦活課題施行中の前頭部oxyHb変化)、MEG計測(上側頭回ミスマッチ陰性磁場;MMF)の計測を行った。同一被験者に対し、末梢静脈血採血を行い、BDNF,COMT,GRM3の遺伝子解析を行った。得られた遺伝子多型性によって群分けし、脳機能・構造データの有意差を検討した。 MRIについて、健常者146名、統合失調症患者46名におけるBDNF val66met多型の影響を検討したところ、用手的MRI計測による海馬・扁桃体体積において有意な影響は見られなかったが、全脳を自動的に検討できるvoxel-based morphometryにおいては、側頭後頭連合野灰白質体積において、統合失調症では健常者よりBDNF多型の影響を強く認めた。NIRSについては、健常者30名、統合失調症患者45名における、COMT val158met多型の影響を検討したところ、統合失調症において左前頭部oxyHb変化に対してCOMT多型が有意に影響を与えていた。MEGについては、健常男性25名による検討の結果、BDNF val66met多型は音素刺激MMFの左半球優位性に、GRM3多型は音素刺激MMF強度(両側上側頭回)に、それぞれ有意な影響を与えていた。 これらの結果から、統合失調症の関連遺伝子多型の異常が脳機能・構造に部位・機能特異的な影響を与えることが示唆された。
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