研究課題/領域番号 |
17025023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮川 剛 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (10301780)
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研究分担者 |
遠山 桂子 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (20378722)
扇野 寛史 京都大学, 医学研究科, 教務補佐員 (20378665)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 統合失調症 / 精神疾患 / カルシニューリン / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
統合失調症や双極性感情障害、うつ病等の精神疾患はいずれも高い生涯罹患率を有し、薬物療法が進歩した今日でも難治例は多い。とくに統合失調症は精神科入院患者の約6割を占め、医療費の高騰の面からも効果的な治療薬の研究開発が重要であるが、そのためには精神疾患の病態の解明の研究をさらに進める必要がある。研究代表者らはカルシウム依存性脱リン酸化酵素であるカルシニューリン(CN)の前脳特異的KOマウスが、作業記憶の障害、注意障害、社会的行動の障害など統合失調症様の行動異常を示すことを発見し、さらに患者のゲノムDNAサンプルを用いた関連解析でCNのサブユニットの遺伝子が統合失調症と強く相関していることを示すことにより、CNが統合失調症の感受性遺伝子であることを明らかにした。研究代表者らは、これらの知見を利用して、CNの信号伝達経路に関与する遺伝子をはじめとして、脳に発現する各種遺伝子の遺伝子改変マウスを用いて行動バッテリーによる表現型解析を行っている。これにより、精神疾患様行動パターンを示すマウスを選定するだけでなく、得られた精神疾患モデルマウスの妥当性を、精神疾患の患者サンプルを用いて検証し、またモデルマウスの脳の解析を通じて精神疾患の病態解明を図る。 この戦略を用いることにより、CNが関与する情報伝達経路にある分子の遺伝子改変マウスで精神疾患様の表現型を示す遺伝子改変マウスを複数得ることができた。ある系統では不安の顕著な低下と社会的行動の増加がみられ、当該遺伝子の異常がダウン症の発症メカニズムに関与していることを明らかにした。この結果はNatureにArticleとしてオンラインで発表された。 今後、この戦略を用いて、精神疾患様の表現型を示す遺伝子改変マウスの同定を引き続き行う予定である。
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