研究課題/領域番号 |
17025033
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
久永 真市 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (20181092)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 神経科学 / 痴呆 / 脳神経疾患 / 老化 / 酵素 / タウ / アルツハイマー病 |
研究概要 |
アルツハイマー型老人性認知症では、過剰な神経細胞死が見られるが、神経細胞死の分子機構については判っていない。神経細胞死は認知症発症により近い時期で起こり、その防止は疾患進行を完全には停止できないかもしれないが、遅延は期待できる。申請者らはCdk5と神経細胞死についての研究を行ってきており、いくつかの興味ある知見をすでに得ている。それらはCdk5の異常活性化の危険性は加齢により高まること、Cdk5はコレステロールによって活性化されること、小胞体ストレスでp25が生成し、核へ移行して細胞死を促進させることなどである。本研究では、Cdk5による細胞死の実体を明らかするため、更なる研究を行った。 (1)最近、申請者らは小胞体ストレス細胞死でp25が生成し、核へ移行し、細胞死を進行させることを見つけた。この系を用いて、p25/Cdk5による細胞死実行機構を解析した。カルパイン阻害剤はp25生成を抑制し、Cdk5阻害剤は細胞死の進行を遅らせた。P35はミリスチル化を介して細胞膜に結合し、核内への移行が抑えられていることが判明した。 (2)p35のカルパインによる限定分解はp35のリン酸化状態に依存する。限定分解を抑制するリン酸化部位を同定した。p35のSer8とThr138がリン酸化部位であった。それらのAla変異体を作製し、限定分解促進を調べたところ、いずれもが限定分解を抑制できることが判ったが、Thr138のリン酸化は加齢により減少しており、神経細胞内で限定分解を調節しているリン酸化部位はThr138であることが示された。 (3)Cdk5とp35の結合を阻害し、Cdk5の活性化を抑える因子を検討した。Cdk5とp35の立体構造予測から、結合に関する部位を同定した。現在はその部位のアミノ酸配列を基に阻害ペプチドの作成を試みている。
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