研究課題/領域番号 |
17025038
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小松 雅明 順天堂大学, 医学部, 助手 (90356254)
|
研究分担者 |
千葉 智樹 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00311423)
村田 茂穂 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20344070)
|
研究期間 (年度) |
2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | オートファジー / ユビキチン / 神経変性疾患 / 品質管理 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
パーキンソン病、ハンチントン舞踏病に代表される神経変性疾患は、ユビキチン・プロテアソームシステムの蛋白質分解異常による変性蛋白質の蓄積が発症原因と考えられている。最近、ユビキチン修飾システムの他に蛋白質分解に関与するユビキチン様修飾システムが相次いで同定された。その一つAtgシステムは、オートファジーというバルクな蛋白質分解経路に必須なシステムである。オートファジーは、ダイナミックな膜形成(オートファゴソーム形成)を伴う真核生物に保存された蛋白質分解システムである。酵母などの下等単細胞生物においては、オートファジーは飢餓に応答した生存戦略が唯一の働きと考えられてきた。しかしながら、申請者らは条件付きにオートファジーが不能となるマウス(Atg7^<Flox/Flox>)を作製、解析し、肝臓におけるオートファジー不能マウスが栄養飢餓時の蛋白質分解阻害のみならず定常状態においてもユビキチン陽性封入体や異常オルガネラの蓄積を引き起こすことを明らかにした(Komatsu et al.J.Cell Biol.,2005)。さらに、脳特異的オートファジー欠損マウスを作製し、そのマウスは反射異常、協調運動障害などの神経変性疾患様症状を示し、その神経細胞内には加齢と共にユビキチン陽性封入体が蓄積されること、大脳皮質や小脳顆粒層において神経細胞死が起こることを見いだした(Komatsu et al.Nature, in press)。これらのことは、オートファジーは栄養状態が十分に供給された状況にあっても恒常的に活動し、変性蛋白質の分解を行っていることを強く示唆する。今後、作製したAtg及び病態モデルマウスをもとに「神経における異常蛋白質除去機構」及び「神経変性疾患発症機構」の解明を目指す。
|