研究課題/領域番号 |
17025051
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
白澤 卓二 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (80226323)
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研究分担者 |
清水 孝彦 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40301791)
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / Aβ42 / βアミロイド / 凝集 / 酸化ストレス / ラジカル / 電子スピン共鳴法 / ターン形成 |
研究概要 |
アルツハイマー病因ペプチドであるβアミロイド(Aβ42)は、凝集することによって神経細胞毒性を示す。Aβ42の神経細胞毒性の少なくとも一部は、酸化ストレスによるものであることが明らかになっている。本研究代表者らが提唱したAβ42の新しい凝集モデルは、22位および23位におけるターン構造を特徴とするものであるが、本モデルはAβ42のラジカル化を介した神経細胞毒性の発現機構と密接に関連しているものと考えられる。本研究では、Aβ42の毒性発現におけるターン形成の意義を明らかにする目的で、22位における各種Aβ42変異体5種のラジカルおよびH_2O_2の産生量を調べた。 各種変異体のH_2O_2産生能は、比色定量法で、ラジカル産生能は、スピントラップ剤(PBN)を用いた電子スピン共鳴法(ESR)法で評価した。その結果、22位付近でターンを形成しやすい配列をもつ変異体[Dutch(E22Q)、Italian(E22K)、E22G(Arctic)、E22P]は、野生型よりも数倍高いH_2O_2およびラジカル産生能を示すとともに、PC12細胞に対する神経細胞毒性も野生型より約10倍高かった。Aβ42の細胞毒性は、10位のチロシン残基(Tyr-10)および35位のメチオニン残基(Met-35)のラジカル化と密接に関係していることから、本結果は22位付近のターン形成によるTyr-10とMet-35との相互作用(Try-10のフェノキシラジカルによるMet-35の酸化反応)が、Aβ42のラジカル産生能において重要であることを強く示唆している。22位付近におけるターン形成が、Aβ42の‘病的なコンホメーション'を誘導する可能性がきわめて高いことから、本ターン構造をエピトープとした抗体の作製を現在進めている。
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