研究課題/領域番号 |
17026025
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中屋敷 均 神戸大学, 農学部, 助教授 (50252804)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | RNAサイレンシング / RNAi / Dicer / 糸状菌 |
研究概要 |
RNAサイレンシングは、ほとんどの真核生物に広く保存されている配列特異的な遺伝子発現抑制機構である。Dicer蛋白質はそのRNAサイレンシング経路の鍵酵素であり、塩基配列特異的な情報を伝達するための20-26bp程度のsiRNAと呼ばれる小さなRNAの生成を担う機能を持っている。 本研究では、糸状菌であるイネいもち病菌ゲノムに存在する二つのDicer様蛋白質MDL1とMDL2の機能分化の解析とその進化的な保存性について調査することを目的としている。これまでにいもち病菌ではMDL2がRNAサイレンシング経路に関与することが示されたが、MDL1およびMDL2の菌糸におけるmRNA蓄積量をリアルタイムPCRを用いて調査した所、MDL2 mRNAは、MDL1 mRNAの約15倍蓄積していることが示された。また、RNAサイレンシング能を失っているMDL2破壊株でMDL1 cDNAを強発現させると効率は低いものの部分的にRNAサイレンシングを相補することが明らかとなり、いもち病菌におけるMDL1とMDL2の機能分化には、蛋白質自体の分化と共に転写コントロールが重要な働きを持っていることが示された。 また、多くの種でゲノムが解読されつっある糸状菌において、Dicer遺伝子の分子系統解析を行った所、MDL1とMDL2は、子のう菌や担子菌といった糸状菌門が分かれる以前に分化していることが示唆された。このことから、これらパラログは、進化的に古くから存在し、基本的には異なった機能を持つものの、なお互いに相補できる余地は残しているものと考えられた。
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