研究課題/領域番号 |
17027018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 微小管 / アラビドプシス / 左右性 / チューブリン / 変異株 |
研究概要 |
アラビドプシスのねじれ変異株では根、胚軸、葉柄、花弁などの伸長器官の表皮細胞が器官軸に沿ってまっすぐに伸長できず、右または左に傾いて伸長する。このねじれ方向の左右性は変異株により決まっている。これまでの細胞生物学的解析により、表層微小管束の配向異常が細胞壁のセルロース微線維の配向を変化させ、その結果として細胞の伸長軸が右または左にずれて伸長するというモデルが考えられる。 1)微小管変異とねじれ方向 表層微小管束のヘリックス方向を規定する要因として、微小管を構成する原繊維の本数が通常の13本から異なっており、その結果、微小管原繊維が微小管本体に対してわずかにねじれてパッキングされている可能性が考えられた。この可能性を検証するために、アラビドプシス根の伸長領域の表皮細胞の表層微小管をタンニン酸を含む固定液で固定し、TEMで高倍率で観察したところ、野生株、右巻き変異株(tua5^<D251N>)、左巻き変異株(tua4^<S178Δ>)でそれぞれ4、5本の微小管の微細構造が判明し、全て13本の原繊維から構成されると推定された。従って、チューブリン変異株においても多くの微小管は13本の原繊維から構成され、上記の仮説を指示する結果は得られなかった。 2)SPR3の機能解析 根伸長領域の表層微小管が左巻きヘリックスに配向する右巻き変異株spr3は微小管重合核として機能するγチューブリン環状小複合体の構成成分と考えられるAtGrip84のGRIPモチーフのアミノ酸置換変異であり、AtGrip84とAtGrip91サブユニット間の結合が弱くなっていた。spr3変異株では表層微小管のマイナス端のレスキュー頻度が顕著に高く、マイナス端が安定化されていた。また、新生微小管が既存微小管上から派生する時の角度が、やや大きくなっていた。TAP-AtGrip84を発現させたタバコBY-2培養細胞では、AtGrip84(Myc抗体で染色)はγチューブリンと表層微小管上で共局在したことから、植物細胞内でもγチューブリン環状小複合体を形成していると考えられた。現在、AtGrip84-GFPの詳細な細胞内局在と動態を観測している。
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