研究課題/領域番号 |
17027024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
角谷 徹仁 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (20332174)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | DNAメチル化 / トランスポゾン / エピジェネティクス / small RNA / 進化 / non-coding RNA / エピジェネティック |
研究概要 |
植物や脊椎動物のゲノムDNAではシトシン残基の一部がメチル化されている。DNAメチル化の役割を知るため私達は、DNA低メチル化突然変異ddm1(decrease in DNA methylation)で誘発される発生異常を遺伝解析してきた。本課題の素材である矮性表現型bonsaiは、不安定な劣性形質として遺伝する(Cold Spring Harb Symp Quant Biol 69,139-143)。この原因遺伝子を連鎖解析で同定し、分子機構を明らかにすることを目的とした。 連鎖解析によって遺伝子座をせばめた後、発現を調べることにより、bns表現型の原因遺伝子を同定した。bns系統では、この遺伝子の塩基配列は変わっていなかった。一方、発現抑制に伴い、この遺伝子の全体にわたりメチル化レベルの上昇が見られた。また、small RNAの蓄積が観察された。遺伝子発現抑制が世代を超えて継承されるという、新たなタイプの機能喪失型のエピジェネティック突然変異と考えられる。興味深いことに、BNS遺伝子の3'側には、野生型Col系統でもレトロトランスポゾンLINEの挿入があり、これは野生型でメチル化されており、ddm1ではこのメチル化がBNS遺伝子にまで広がっていた。別の野生系統CviにはこのLINEがないことを利用し、LINEのないBNS遺伝子がddm1下でメチル化されるかどうかを検証した。その結果、LINEのないBNS遺伝子はddm1下でもメチル化されないことがわかった。世代を超えて継承されるエピジェネティックな多様性の誘発因子としてトランスポゾンが働きうることは興味深い。
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