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花序のメリステム形成をエピジェネティックに抑制するTFL2遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17027030
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関岡山県生物科学総合研究所

研究代表者

後藤 弘爾  岡山県生物科学総合研究所, 遺伝子工学部門, 専門研究員 (00251489)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワード分子遺伝学 / 発生 / エピジェネティクス / 発現制御 / 植物 / ヘテロクロマチン / 春化 / サイレンシング / 分子遺伝子学
研究概要

TFL2はいくつかのタンパク質と複合体を形成し、発現の抑制をする遺伝子上のターゲットサイトに結合することによって、作用すると考えられる。従ってTFL2の作用機構を明らかにするには、これまでに遺伝学的なアプローチから見つけた、TFL2のターゲットと考えられる遺伝子群に加えて、さらにグローバルな探索によりTFL2の結合サイトを明らかにすることが重要と考えられる。また、植物の発生過程を理解する上でエピジェネティックなゲノム変化の全体像を記述すること自体が重要な情報となる。以上のような経緯と、技術的にもアラビドプシスのゲノムタイリングアレイが利用可能となったことから、まずTFL2の局在とヒストン修飾との関連を明らかにするべく、ChIP-on-chip法により、TFL2の結合サイトの探索をはじめた。パイロット実験として、TFL2のターゲット遺伝子として明らかになっている、AP3、AG、FTの各遺伝子領域に対してChIP-on-chipを行った。その結果、TFL2はメチル化H3-K9よりも、メチル化H3-K27と共局在している傾向が強いことが分かった。この結果は我々がこれまでに得ている細胞生物学的な結果と一致しているが、動物や分裂酵母でいわれているようなHP1の性質とは異なっている。即ち、動物細胞ではユークロマチンにある発生を制御する遺伝子の近傍のH3K27が、Polycomb repressive complex 2(PRC2)によってメチル化され、それをさらにPRC1が認識、結合することで発現抑制を安定化することが知られている。植物においては、PRC2を構成する3種類のタンパク質のホモログは見つかっているが、PRC1構成タンパク質のホモログは見つかっていない。このPRC1の機能を植物細胞内で担っているのが、TFL2である可能性が高い。今後、TFL2の研究をさらに進めることによって、まだメカニズムのよく分かっていないPRC1の作用機構を明らかにできるものと期待される。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 植物の花成におけるエピジェネティックな制御2007

    • 著者名/発表者名
      後藤弘爾
    • 雑誌名

      学術月報 Vol.60 No.11

      ページ: 932-937

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Epigenetic maintenance of the vernalized state in Arabidopsis thalianarequires LIKE HETEROCHROMATIN PROTEIN 1.2006

    • 著者名/発表者名
      Sung, S., He, Y., Eshoo, T. W., Tamada, Y., Johnson, L., Nakahigashi, K., Goto, K., Jacobsen, S. E., and Amasino, R. M.
    • 雑誌名

      Nature Genetics 38

      ページ: 706-710

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] The Arabidopsis HETEROCHROMATIN PROTEIN1 Homolog (TERMINAL FLOWER2) Silences Genes within Euchromatic Region but Not Genes Positioned in Heterochromatin.2005

    • 著者名/発表者名
      Nakahigashi.K., Jasencakova.Z., Schubert.I., Goto K
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 48

      ページ: 1747-1756

    • NAID

      10016887122

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] FD a bZIP protein mediating signals from the floral pathway integrtor FT at the shoot apex.2005

    • 著者名/発表者名
      Abe, M., Kobayashi, Y., Yamamoto, S., Daimon, Y., Yamaguchi, A., Ikeda, Y., Ichinoki, H., Notaguchi, M., Araki, T.
    • 雑誌名

      Science 309

      ページ: 1052-1056

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] TWIN SISTER OF FT (TSF) acts as a floral pathway integrator redundantly with FT.2005

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi, A.Kobayashi, Y., Goto, K., Abe, M., Araki, T.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 46

      ページ: 1175-1189

    • NAID

      40006818149

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 植物のエピジェネティクス 「花成のエピジェネティクス」2008

    • 著者名/発表者名
      玉田洋介・後藤 弘爾(分担)
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      秀潤社
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 「分子生物学」モデル生物の分子生物学 -アラビドプシス(シロイヌナズナ)-2006

    • 著者名/発表者名
      後藤 弘爾(分担)
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      東京化学同人
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 「プラントミメティックス-植物に学ぶ-」花の発生と形態形成2006

    • 著者名/発表者名
      後藤 弘爾(分担)
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [産業財産権] 植物の品種改良の時間を短縮するための方法及びキット2006

    • 発明者名
      後藤弘爾
    • 権利者名
      岡山県
    • 産業財産権番号
      2006-023501
    • 出願年月日
      2006-01-31
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2018-03-28  

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