研究課題/領域番号 |
17028008
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
倉永 英里奈 東京大学, 大学院薬学系研究科, 講師 (90376591)
|
研究分担者 |
三浦 正幸 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (50202338)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | モデル生物 / プロテアソーム / 神経変性 / 細胞死シグナル / ショウジョウバエ / 神経細胞死 / スクリーニング / カスパーゼ |
研究概要 |
多くの神経変性疾患において、細胞内の異常タンパク質の凝集・蓄積とそれに伴う神経細胞死が共通する病態として知られている。通常細胞内の異常タンパク質は、タンパク質分解機構の一つであるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)によって分解され細胞内の恒常性が維持されているが、UPSが正常に働かない場合、細胞内の異常タンパク質は凝集体を形成して神経変性や神経細胞死を引き起こすことが明らかになりつつある。しかしながら、実際にプロテアソーム活性の変化と神経変性疾患の関与に関して、in vivoで解析を行った研究はこれまでに少ない。私たちは、ショウジョウバエをモデル生物として用いて、in vivoにおける神経変性とプロテアソーム活性の関与を示すことを試みた。まず、神経変性が晩発性に発症する原因として加齢依存的なプロテアソーム活性の変化を想定し、ショウジョウバエ頭部のプロテアソーム活性を測定した。その結果、若年個体と比較して老齢個体におけるプロテアソーム活性の段階的な低下が槻察された。プロテアソーム活性の老齢個体における低下または若年個体での亢進が何によって制御されているのか、遺伝学的なスクリーニングにより制御分子の同定を目指している。また、これまでに行った神経変性抑制因子の過剰発現型スクリーニングにより、DANC系統を同定した。DANC系統による抑制型表現系の原因を特定するために、DANC系統がコードする遺伝子の探索を行ったところ、その候補に26Sプロテアソームの構成因子であるRpnが同定された。DANC系統ではRpnの過剰発現により、神経変性の抑制表現型が得られたと考えられる。Rpnがプロテアソーム構成因子であることからプロテアソーム活性に着目し、ショウジョウバエ個体におけるプロテアソーム活性を測定したところ、DANC系統及びRpn発現系統において恒常的にプロテアソーム活性が上昇しているという結果を得た。また、ショウジョウバエにおいてRpn遺伝子のノックダウンを行ったところ、プロテアソーム活性の減少・神経変性様表現系の表出が確認されたことから、in vivoにおける神経変性とプロテアソーム活性の変化が密接に関係していることが示唆された。
|