研究課題
特定領域研究
藍色細菌は生物時計が見つかっている唯一の原核生物であり、その生物時計は、時計タンパク質KaiA、KaiB、KaiC及び時計関連タンパク質(Pex、SasA)から構成される。KaiA、KaiB、およびSasAといったタンパク質はKaiCと相互作用することが確認されており、藍色細菌時計タンパク質の中核構成因子であると思われるのはKaiCである。時計の分子装置の作用機構、すなわち「時計の分子装置がどのようにして、24時間周期の振動を発振するか」を原子レベルで解明することを目指し、KaiCを中心に、生化学的解析、構造学的解析を進めた。KaiA、KaiCの生化学的解析は、安定性の高い好熱性藍色細菌 Thermosynechococcus elongatusのタンパク質を利用した。KaiCはダンベル型をしたタンパク質で、6つのサブユニットが集まり、リング状構造をとる。私たちは、KaiCタンパク質を単量体で精製することに成功した。この単量体KaiCを用い、KaiCが単量体の状態でもKaiAと相互作用しうることを明らかにした。また、KaiC変異体を用いた解析によって、KaiCは6量体化した状態で隣あう位置にあるKaiCサブユニットをリン酸化することを明らかにした。現在、構造学的な解析を行うべく、KaiCおよびKaiA-KaiC複合体の結晶化を進めている。この他に、時計関連タンパク質Pexの解析を進めた。Pexタンパク質は生物時計への光入力に関与する時計関連タンパク質で、時計遺伝子kaiAの発現を抑制するリプレッサーと考えられる。本研究では、Pexの結晶化とX線結晶構造解析を行った(理学研究科物質理学専攻神山勉教授との共同研究で未発表)。常温性糸状藍色細菌Anabaena sp.strain PCC 7120(Anabaena)および Synechococcous sp.strain PCC7942(Synechococcus)のPexをそれぞれ大腸菌で大量生産し、高度に精製して結晶を作製した。AnabaenaとSynechococcusで良好な結晶を得て、SPring-8でX線回折データを取得した。
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