研究課題/領域番号 |
17028027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曽根 雅紀 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00397548)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経変性 / 神経細胞 / トラフィッキング / 神経病理 / ショウジョウバエ / レスキュー実験 / 遺伝学 / 神経科学 / 老化 / 脳神経疾患 / 小胞体 / 小胞輸送 |
研究概要 |
アミロイド前駆体蛋白質(APP)は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であり、アルツハイマー病発症機構に深く関与すると考えられているが、いかにしてその病態および発症機構に関与するのかという点において、未だに未解明の部分がある。本研究では、研究代表者が最近同定した、APPと遺伝学的に相互作用するショウジョウバエ新規遺伝子(yata遺伝子と名付けた)の解析を通じて、この問題にアプローチすることを目指した。yata変異体は神経変性および早期死亡の表現型を示すが、早期死亡の表現型は、神経細胞特異的なelavプロモーターの制御下でyata遺伝子を外来性に発現させることによつて、著明にレスキューされた。このことから、yata遺伝子の神経細胞における機能に生じた何らかの異常が、早期死亡の原因になっていることが示唆された。また、yata変異体の早期死亡の表現型は、ショウジョウバエAPP遺伝子(App1遺伝子)のヌル変異を二重変異としてさらに導入することによって増悪した。逆に、yata変異体でelavプロモーターの制御下でApp1を過剰発現させると、早期死亡の表現型に対してレスキュー効果を示した。また、遺伝学的解析からYATA遺伝子産物は、APPL、HIGなどのいくつかの膜・分泌蛋白質のトラフィッキングを調節する機能を有していることが示唆されたが、それら標的蛋白質の過剰発現によっても、レスキュー効果が観察された。これらのことから、yata変異体においては、APPおよび関連蛋白質のトラフィッキング異常の加算的効果によって神経病理と早期死亡が引き起こされていることが示唆された。
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