研究課題/領域番号 |
17028058
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
横関 健昭 (2006) 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80373405)
金保 安則 (2005) 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00214437)
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研究分担者 |
横関 健昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80373405)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 飜訳後修飾 / 脂質 / 蛋白質 / シグナル伝達 / PLD / 脂質性シグナル分子産生酵素 / ホスホリパーゼD / Bio-lipid / ホスファチジル基転移反応 / 翻訳後修飾 / ホスファチジル化 / セリン残基 / 好中級 |
研究概要 |
細胞内で合成された蛋白質は、糖鎖付加、リン酸化などの翻訳後修飾を受けて生理活性を獲得したり、機能修飾が起こる。ボスホリパーゼD (PLD)は様々なアゴニスト刺激により活性化され、膜リン脂質のPCを加水分解してボスファチジン酸(PA)を産生し、このPAが下流ヘシグナルを伝達する。PLDは反応系に一級水酸基が存在すると加水分解反応よりもむしろPCのボスファチジル基を一級水酸基に転移する「ホスファチジル基転移反応」を優位に触媒する。代表者は、上述した既知の蛋白質翻訳後修飾とは異なり、PLDがユニークなボスファチジル基転移反応により、ホスファチジル基を蛋白質のセリン残基の水酸基に転移することにより蛋白質をボスファチジル化して、蛋白質の機能や安定性を調節するという、全く新奇の蛋白質翻訳後修飾の可能性を予想していた。哺乳動物細胞では、PLD1とPLD2の二種類のPLDが存在する。リコンビナントPLD2蛋白質とアイソトープ標識PCを用いたin vitroのアッセイ系を用いて検討したところ、PLD2はL-セリンの水酸基にホスファチジル基を転移した。さらに、PLD活性依存的にPLD2蛋白質自身がボスファチジル化されることを見出し、代表者が予想した新奇の蛋白質修飾反応がin vitroにおいて実際に起こり得ることが示された。次に、細胞膜のPCを特異的にアイソトープ標識したヒト好中球を走化性因子fMLPで刺激すると、顕著なPLD活性の上昇とともに53kDaの蛋白質などへのホスファチジル化が起こることを示し、細胞内においても蛋白質ボスファチジル化反応が起こっていることが強く示唆された。これらの結果から、リン脂質代謝酵素による新奇蛋白質翻訳後修飾・蛋白質ボスファチジル化が実際に存在し、基質蛋白質の機能変化や細胞膜へのアンカーリング、蛋白質運命の決定に重要な役割を果たしていると考えている。
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