研究課題/領域番号 |
17029010
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
新井 達郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (50151139)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 巨大分子 / 光化学 / 光異性化 / デンドマリー / 励起状態 / 蛍光 / スチルベン / 構造変化 / 光物理 / ダイナミクス / デンドリマー |
研究概要 |
巨大分子の光化学は、視覚における光情報の捕集と伝達の観点から興味深い。このような観点から、光応答性巨大分子デンドリマーを合成し、光機能界面としての可能性も含めて検討した。 励起-重項状態で100ps程度の時間で構造変化しうるスチルベン骨格を用いたデンドリマーを合成し、周辺の巨大な置換基が反応ダイナミクスや物性に及ぼす効果を研究した。特にスチルベンのベンゼン環の異なる置換位置に巨大置換基として世代の異なるデンドロンを置換したデンドリマーのスチルベン部位の超高速光反応と周辺部位も含めた分子全体のゆっくりした構造変化について、蛍光や反応の効率、反応の方向などを中心に各種分光学的手法も含めて検討した。 研究した中でも、疎水部として蛍光性かつ光応答性の部位を導入し、外側に親水基を導入して水溶性となった分子では、内部の疎水部の特異な光機能性がいくつか観測された。例えば、水溶性スチルベンデンドリマーの水中での高速光反応ダイナミクスに関した研究では、分子中心と周辺の構造変化の特徴や新規な異性化機構の可能性を提案した。スチルベン骨格を中心部に有するデンドリマーでは、トランス体は紫色の蛍光を発するが、光異性化により生成したシス体は、蛍光を発しなくなる。油水界面の効果で光反応が特異的な方向にのみ進行すること、中心の二重結合の異性化を巨大分子全体の構造変化として増幅できる可能性、水中に存在する有機巨大分子を蛍光性から無蛍光性に完全に変化可能であるなど水溶性の巨大分子の光による構造変化を新しい機能に展開可能な成果を得た。さらに、これらの光反応性が、デンドロン置換基の置換位置の効果を受けること、水溶性デンドリマーの内部に対する機能分子の取り込みと放出を光で制御できる可能性についても見いだした。
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