研究課題/領域番号 |
17029051
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
早瀬 修二 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (80336099)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2006年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 色素増感太陽電池 / 擬固体 / ハイブリッド / 陽極酸化 / アルミナ / ナノマテリアル / イオン液体 / ゲル電解質 / 固体化 / 陽極酸化アルミナ / 導電性高分子 / Grotthuss / ゲル化 / 電解質 / 相分離 / 潜在性 / ナノ粒子 |
研究概要 |
色素増感太陽電池の研究で固体化は最も重要なテーマのひとつである。しがし一般に固体化剤が多くなり固体に近くなるとイオン拡散が低下し太陽電池性能は大きく低下する。従って、これまでの高性能ゲル電解質は固体化剤が10%程度に抑えられたソフトゲルであった。我々の研究の目的は、固体化成分が多く完全固体化に近いにもかかわらず、高い性能を維持できるハイソリッド型擬固体色素増感太陽電池を提案することである。この目標を達成するために、高キャリア密度を有する層と低キャリア密度を有する層を持つハイブリッド二層電荷輸送媒体を提案した。対極とチタニア層の間のバルク層は高密度キャリア層で形成されハイソリッド固体であるにもかかわらず高い導電性を有する。一方、ポーラスチタニア内部は低キャリア密度層で形成され、チタニアからキャリア輸送層への逆電子移動が抑制される。チタニアナノポア内も高密度キャリア層で満たされた場合には、チタニア層からキャリア層への逆電子移動が多くなり、太陽電池性能は大きく低下する。このハイブリッド型色素増感太陽電池の有効性を実証するために、表面修飾ナノマテリアルと不揮発性イオン液体からなる数種類のナノ複合体を作製し、その有効性を実証した。実証のために用いたナノ複合体は,(1)界面修飾陽極酸化ポーラスアルミナ/イオン液体複合膜、(2)界面修飾ナノ酸化物/イオン液体複合膜、および(3)陽極酸化ポーラスアルミナ/導電性高分子/イオン液体複合膜である。これらはすべて、表面修飾ナノ細孔、または表面修飾ナノ粒子表面にキャリアを吸着し高いキャリア密度を実現するとともに、相対的にチタニアナノ細孔のキャリア密度を低下させることによりハイブリッド電荷輸送層を形成することができた。これらは固体化成分が50%という高いハイソリッド体であるにもかかわらず、イオン液体型電解液と同等以上の性能を発揮することができ、ハイブリッド二層電荷輸送媒体という提案が広く一般性を持つことを実証できた。
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