研究課題/領域番号 |
17029069
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
松本 吉泰 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 教授 (70181790)
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研究分担者 |
渡邊 一也 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (30300718)
松本 健俊 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (20390643)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 金ナノクラスター / チタニア / 走査型トンネル顕微鏡 / プラズマエッチング / 光触媒 / アルカンチオール / 金酸化物 / 焼結 |
研究概要 |
本年度は、チタニア表面上の金ナノクラスターのモデル触媒を構築し、金ナノクラスターにおける還元反応について重点的に研究を行った。 アルカンチオールで保護された金ナノ粒子を、HAuCl_4水溶液をCH_3(CH_2)_7NBrのトルエン溶液と撹拌し、NaBH_4及びヘキサンチオールを加えて還元することにより調整した。えられた金ナノクラスターをゲルパーミーションクロマトグラフィーによりサイズ選別した。金ナノクラスターのTiO_2(11O)表面への担持は、LB膜の調製と同様なdip coating法により行った。このように作成した試料を酸素プラズマエッチングにより、保護基を除去した。この際、金ナノクラスターは酸化され、Au_2O_3を生成する。そこで、この金ナノクラスターにCO、エチレン、水素分子、水素原子などに露出し、還元反応効率を調べた。この結果、水素原子による還元反応効率が予想通り最も高いことが判明した他、これに次いでCOが高く、エチレン、水素分子は極めて小さな還元能を示すことがわかった。 さらに、上記のような酸素処理をした金ナノクラスターにおける光化学反応について研究を行った。この試料に紫外光を照射すると、自発的に金クラスターが還元されるとともに、炭素がクラスター表面に析出してくることをはじめて見出した。気相からは還元剤を導入していないのでこの現象を説明するために金ナノクラスター表面近傍の組成を表面温度、照射する波長を系統的に変えながら定量的に測定した。その結果、光還元反応のメカニズムとして以下のような結論に到達した。すなわち、Au-O結合の励起は光照射による電子励起が関与しており、電子励起によって活性化された酸素原子が近傍の炭素原子と結合してCOとして真空中に脱離する。また、光吸収の結果起きるサンプルの温度上昇が金ナノクラスター内部からのC析出を促していると考えられる。
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