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高出力レーザーラマン分光法による火山ガス遠隔観測実験

研究課題

研究課題/領域番号 17031007
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京工業大学

研究代表者

大場 武  東京工業大学, 火山流体研究センター, 助教授 (60203915)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
キーワードラマン光 / レーザー / 火山ガス / 遠隔観測 / 蛍光 / ラマン分光法
研究概要

群馬県北部の万座温泉にある空吹噴気と草津町の万代鉱源泉においてレーザーラマン分光法の野外実験を行った.観測地点と噴気および源泉蒸気までの距離は,それぞれの場所で,120mと52mであった.空吹噴気は崖の壁にある天然の噴気で,温泉水の湧出を伴う.一方,万代鉱源泉は人工的に掘られた源泉で,蒸気を逃がすための塔が設置されており,塔から放出される蒸気を観測対象とした.レーザーを照射する目標として,空吹の場合は,噴気の出口付近,万代鉱の場合は蒸気塔の出口付近を狙った.
ラマン分光法の火山ガス遠隔観測への試みは,部分的に成功したと言える.52mの距離で濃度が0.8%の水蒸気濃度を定量することに成功した.ラマンスペクトルから推定された酸素/窒素のモル比は実際の大気の値に近く,特別に標準ガスなどを用意しなくとも,スペクトルの高さから理論的に濃度比を推定することが示唆された.
レーザーラマン分光法において最大の問題点は,蛍光の発生であることが確認された.照射レーザー光は背景の岩石や土壌に当たり,強力な蛍光が発生してしまう.この蛍光は連続スペクトルで,微量ガス成分からのラマン光を覆い隠してしまう.ラマン分光法で検出される気体の濃度は大まかに言えば,%オーダーでないと検出は難しい.よって,噴気孔から放出されて大気に拡散した後のガスを検出するのは困難である.そこで,ガス成分を多数検出するには,ガスが大気に拡散する前の状態,すなわち噴気孔の出口にレーザー光を照射する必要がある.その場合,噴気と背後の岩石は極めて接近した位置にあり,観測点から重なって見えることになる.これはラマン光が蛍光に妨害されることを意味する.蛍光の問題は,ラマン分光法では一般的に大きな問題として残されている.レーザーラマン分光法を火山ガス観測に実用化するためには,なんとかしてこの蛍光の問題を克服する必要がある.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2018-03-28  

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