研究課題/領域番号 |
17031008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 噴火シミュレータ / 局所補間微分オペレータ法 / AMR法 / 保存形IDO法 / 爆風 / 落石 / 非球形個別要素法 / 岩石モデル / 保存系IDO法 / 爆発シミュレーション / 長時間積分 |
研究概要 |
「噴火シミュレータ」をさらに高精度化するための以下の数値計算法の開発を行った。火山噴火は爆風の衝撃波伝播とかなり類似した部分があり圧縮性流体計算を必要とする。非常に狭い領域で大きなエネルギーを短時間に放出し、その影響が広範囲に及ぶ。数値計算手法に求められることとして、噴火口付近の領域に十分細かい計算格子を配置する、密度・圧力の急激な変化に対して安定に計算できるスキームである、長時間積分が可能である、ことが必要である。これらの全てを満足する数値計算手法として、保存形の局所補間微分オペレータ(IDO)法をさらに発展させた。 (1)従来の物理量の値と微係数を従属変数として補間関数を構築するIDO法を値と区間積分値を従属変数として補間関数を構築する方式に変更し、区間積分値に対しては偏微分方程式を区間積分して得られる方程式で時間積分を行い、flux formの保存形IDO法を構築した。 (2)保存形IDO法の精度検証を行い、風上補間の場合には補間関数は2次多項式になるにも関わらず、移流計算の精度は3次精度であることが明らかになった。また、中心補間に対しては4次多項式になり4次精度がでることが分かった。非保存形IDO法と比較して補間関数の多項式の次数は下がるが、フーリエ解析の結果はgainおよびphaseとも非保存形と区別できないほど一致した結果が得られた。 (3)噴火の最中は火口付近の空間解像度を十分高くし、噴火終了後は噴煙を精度よく捕らえるために上空の空間解像度をAdaptiveに高くするAMR (Adaptive Mesh Refinement)法にIDO法を検討した。非保存形IDO法の場合と異なり、Cellのマージ過程に補間操作が無くなり、積分値は単純な足し算となるためこの部分の誤差がゼロであることが分かった。 (4)岩石のモデル化として、複雑な形状を反映するために非球形モデルの個別要素法をさらに発展させ、球形粒子を複雑形状の岩石を多数(1000個)配置し、斜面を転がり落ちる落石過程をより高精度化した。また、岩石の慣性モーメントもより忠実に計算する方法に改善した。また、岩石破壊過程のモデルを検討し、計算量の問題から岩石全体の構成粒子を要素バネで連結することは困難であることが判明し、剛体連結したクラスター粒子の間を断裂するバネで連結し落石計算を行った。
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