研究概要 |
(1)Nb/SiO_2触媒にFeを導入し,N_2-H_2ガス流通下1273Kまで昇温することでFeを窒化中心としてNbNへと転換できることを見いだした。この時,Nb前駆体としてNbCl_5ではなくPNAを用いることで窒化温度を1173Kまで低下させることに成功した。また,Fe(acac)_3を前駆体としたところ,1-2nm程度の微細なFe粒子のまま存在させることに成功し,NbNが効率よく生成した。窒化度の高い触媒の方がプロピルアミン分解反応に活性を示した。 (2)バルクのTiO_2をCH_4-H_2流通下TiCへと転換するには1410Kが必要だが,担持Ti触媒にCoを添加することによりカーバイド化温度を1173Kまで低下させることに成功した。Tiの前駆体はペルオキソチタン酸がTiCの生成に有利であった。Co K-edge XAFS測定の結果,カーバイド化前はCo-O-Ti結合が見られたが,カーバイド化後はCo-TiとCo-Co結合が観測されており,還元されたCo金属を中心にTiの炭化が進行することが判明した。Tiの炭化度とチオフェン水素化脱硫反応の活性には相関性があり,Coの添加は逐次含浸法の方が有利であった。共含浸法だとカーバイド化中心となるCoの均一分散性には優れるが,難還元性CoTiO_3が生成し不利に作用することが明らかとなった。 (3)SiO_2へNbを高分散担持し,またNb前駆体をペルオキソニオブ酸とすることで,カーバイド化温度を1370Kから1023Kまで低下させることに成功した。カーバイド化温度の低下に伴いNbC表面への炭素種析出が抑制されることが確認された。NbCの生成度をXAFS測定のNb-C配位数から判断したところ,NbCの生成度とエチレン水素化反応活性には相関性があり,Nbのカーバイド化が進行している触媒の方が高い触媒活性を示すことがわかった。また,表面の析出炭素を少なくすることで高活性を得た。
|