研究課題/領域番号 |
17034025
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今栄 東洋子 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (80101161)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | デンドリマー / ポリアミドアミンデンドリマー / ポリプロピレンイミンデンドリマー / 発光 / 蛍光 / 擬結晶成長 / ダイナミクス / 蛍光プローブ |
研究概要 |
近年、蛍光部位を導入したデンドリマーを蛍光プローブとして用いた研究が盛んに行われている。その一方で、元来固有の発光団をもたないポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーが、酸化処理によって強い青色発光をすることが報告され、デンドリマー自身の発光現象に関心が高まっている。また、その報告と前後して、我々のグループは、pHを調節することによってPAMAMデンドリマーが強い蛍光を発し、さらに3級アミンの分岐を共通にもつポリプロピレンイミン(PPI)デンドリマーからも蛍光が観測されることを報告し、これらデンドリマーの発光要因として、構成部位であるアミンの存在を挙げた。そこで、本研究課題では、発光源の特定を目的として、内部に第三級アミンのみを含むアミン末端第三世代(G3)PPIデンドリマーを用いた。また、第一級アミンによる寄与を明らかにするために、末端をペンチル基で修飾したペンチル末端G3 PPIデンドリマーを合成した。これら二種のデンドリマーを用いて、発光現象に関して、pH、時間、熱、酸素の効果及び分子形態の蛍光への関与を調べた。4つの要因のいずれもが蛍光強度に影響したが、加熱したときに蛍光強度は特に強まり、末端アミンはデンドリマーの蛍光を消光した。^1H-NMRスペクトルは時間経過に伴って多少ブロードニングを起こすが、シグナルの位置に大きな変化がないことから、発光に伴うG3 PPIデンドリマーの化学反応や分解の証拠は得られなかった。また、充分に熟成したペンチル末端G3-PPIデンドリマー水溶液では、直径約1_mの大きな会合体の存在が明らかになり、アルキル末端が疎水相互作用して会合体を生じることが考えられた。本研究で得られた結果と同様に、以前に行われた研究においても、大きなミクロゲルを生じる条件において強い蛍光が観測されることを報告している。PAMAMおよびPPIデンドリマーは、光励起により蛍光体が一時的に発生し発光するが、この発光は時間経過に伴うデンドリマーの会合によって増強されることが推定された。
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