研究課題/領域番号 |
17034040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 洋 神戸大学, 理学部, 教授 (20213803)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 四次ラマン効果 / 非線形分光 / 分子振動 / 共鳴ラマン励起 / 第二高調波発生 / 和周波発生 / 界面 / 表面 |
研究概要 |
1 研究期間全体の成果:界面選択性をもつラマン分光法(四次ラマン分光法)を用いて、固液界面に局在する低波数大振幅振動を計測することが本研究の目的である。四次ラマン分光法は(1)時間幅18fsの波長可変光パルスを用いてラマン励起した振動コヒーレンスを(2)プローブ光の第二高調波に現れる量子ビートとして検出する分光法である。ポンプープローブ過程全体の次数が偶数(4)となる光学遷移を選んだことによって反転対称が破れた界面近傍だけを観測できる。本科研費プロジェクトの研究期間中に気-液界面・気-固界面・液-液界面・固-液界面の計測に成功した。これらの成果によって、四次ラマン分光法は媒質に埋没した界面の分析に有効な手法として認知されつつある。 ポンプ光・プローブ光・信号光が近赤外光〜紫外光であり、界面への入出射に対する制約が小さいことは液体中に埋もれた界面の計測法としてはなはだだ有利な特長である。界面選択性をもっ赤外分光法と見なすことができる和周波分光と相補的な手法として界面研究者の注目を集めている。欧州における代表的な物理化学学術誌であるPhysical Chemistry Chemical Physics誌から本公募研究の成果をまとめた総説論文の執筆依頼をうけて作成中である。 2 平成18年度の研究成果:四次ラマン分光法を用いて固-液界面の振動スペクトルを世界で初めて計測した。超高真空中で作成した二酸化チタン(110)単結晶面をトリメチル酢酸アニオン単分子膜で保護して大気中へ取り出し、塩酸水溶液(0.1M)に浸積して測定した。第二高調波光の強度変動をフーリエ変換したスペクトルに現れた3本の振動バンド(820,360,180cm^<-1>)を水溶液と接した二酸化チタン結晶の表面近傍の格子振動に帰属した。
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