研究課題/領域番号 |
17035041
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90210690)
|
研究期間 (年度) |
2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | Vigna angularis / プロシアニジン / ポリフェノール / カテキン / ケルセチン配糖体 / アントシアニン / 有機合成 / 小豆餡 |
研究概要 |
赤小豆(Vigna angularis)の種皮色素は、70年以上にわたり日本で研究されてきた。しかし、色素の実体は未解明な上、小豆餡がなぜ紫色となるのかも不明である。我々は、種皮を凍結後抽出し、HPLC分析することにより、低極性の紫色色素(X)のピークを初めて検出した。さらに、種皮には、わずかな量のシアニンと多量の無色ポリフェノール類が含まれること、製餡加工によりこれらが渋として除去されて、餡が紫色となる機構を見いだした。本研究では、種皮成分の生理機能を明らかにするべく、単離精製を行った。小豆種皮の水抽出物より、アンバーライトXAD-7クロマトグラフィー、逆相HPLCによる精製を繰り返し、カテキン、カテキン7-0-グルコシド、ルチン、ケルセチン-3-ロビノビオシド、ケルセチン-3-ルチノシド-7-ラムノシド、、ケルセチン-3-ロビノビオシド-7-ラムノシド、プロシアニジンオリゴマー、2-0-カフェオイルメソ酒石酸を単離しその構造を同定した。同時に、プロシアニジンオリゴマーの構造を確定するため、位置および立体選択的な縮合法を開拓し2-4量体を合成した。 アントシアニンは、様々な生理機能が注目される植物成分である。しかし、合成法に関してはRobinsonら(1930年代)以降、画期的な進展がない。そこで、効率的で柔軟な手法の確立を目指した。アシル化フラボノール配糖体を還元してアントシアニジン骨格を形成させる経路を検討した。並行して、カテキンを鍵中間体の配糖化フラベノールに導き、生合成経路に従ってロイコ体を経由する、新規で温和な酸素酸化反応を開拓した。本経路により、シアニジン3-グルゴシドを合成した。
|